教育福島0039号(1979年(S54)02月)-017page

て、リズムや旋律を聴き取る学習、旋律を階名で歌いながら聴き取る学習に重きを置き、表現活動と直結して学習をすすめる。

〇高等年「和声の美しさの感得」

和声的に美しい教材の学習を通して、美しい響きを感じ取らせ、理論的な理解の前に、体験を通して、和声についての感覚を養うようにする。

(三)　鑑賞は、進んで音楽を聴こうとする意欲を育てることを重視し、表現の指導内容と密接な関連をもって指導するように計画する。

(四)　実施の反省と評価を的確に行い、指導計画の改善の資料を整えるようにする。

　

二、児童が進んで音楽活動をするよう、指導方法の改善に努める。

(一)　学習指導に当たっては、児童の興味や関心・意欲をたいせつにし、児童みずからの感覚をもとにして音楽の美しさを味わわせ、深まりのある学習ができるようにする。

(二)一人一人の児童の音楽的感覚や、能力の実態をふまえて、学習のねらいや到達度を明らかにするとともに、指導過程をくふうして、児童の主体的な活動を活発にし、学習の充実感、達成感を持たせるようにする。

(三)　聴いたり、歌ったり、演奏したり、ふしを作ったりする活動は、単に反復するのみではなく、計画的に技能の習熟を図り、活動の質を高めていくよう、児童の活動に対する着眼について、適切な指導助言をする。(助言の際の着眼点として、「基礎」の内容を効果的に取り扱うようにする。)

(四)　和音、和声の指導では、理論よりも先に、体験を通して感覚的に感じ取らせることをねらいとし、和声進行の中での和音の表情や旋律と和音の響き合いから美しさを感じ取らせるようにする。

(五)　学習の過程や成果について、絶えず反省と評価を行い、指導方法を改善して効果的な授業を行うようにする。

　

三、音楽経験を生かして、楽しく音楽活動をする態度を育てる。

(一)　音楽科で培われた音楽的諸能力が学校生活のいろいろな場面でじゅうぶん発揮されるようにする。

(二)　特別活動との関連を図り、いろいろな活動の場で音楽の楽しみを生かし、和やかで親しみのあるふんい気をつくるようにする。

　

中学校

　

中学校においては、合唱や合奏など音楽を表現する喜びをじゅうぶん味わわせることによって、音楽的能力を高めるとともに、音楽のもつ特性と人間形成とのかかわりに立って、音楽を愛好する心情を育て、豊かな情操を養うことがたいせつである。

今年度は、新学習指導要領への移行期間の第二年目に当たるので、新学習指導要領の内容をじゅうぶん研究してその趣旨に沿うとともに、移行措置に従って指導計画を改善する必要がある。

さらに、生徒一人一人が進んで音楽活動に参加し、より価値の高い音楽を求め、美しさを味わう力をもつよう、生徒の実態に即し、教師の創意くふうを生かして、本質的な学習活動が展開されるようにしなければならない。

　

一、音楽的感性を豊かに育てる指導が展開されるよう指導計画を改善する。

(一)　移行措置に基づき、学校や生徒の実態に即しながら、適切な学習内容を構成し、充実した音楽活動ができるようにする。

(二)　新指導要領の各学年の目標に示された表現及び鑑賞の能力に関する重点事項を中核として指導内容を精選し、発達段階に即して発展的な学習ができるようにする。

(三)　表現活動は、音楽的感覚のはたらきをもとにした創造的活動を重視し、単なる知識・技能の習得に偏ることがないよう計画する。

(四)　鑑賞は、表現活動との関連を密にするとともに、幅広く教材を選択してそれぞれの音楽のもつよさや、表現の多様さを味わわせるようにする。

(五)　実施の反省と評価を的確に行い、指導計画の改善の資料を整えるようにする。

　

二、生徒が進んで音楽活動をするよう指導方法の改善に努める。

(一)　学習指導に当たっては、生徒の興味や関心、意欲をたいせつにし、生徒みずからの感覚をもとにして、音楽の美しさを味わわせ、深まりのある学習ができるようにする。

(二)　一人一人の生徒の音楽的感覚や能力の実態をふまえて、学習のねらいや到達度を明らかにするとともに、指導過程をくふうして生徒の主体的な活動を活発にし、学習の充実感、達成感をもたせるようにする。

(三)　聴いたり、歌ったり、奏したり、作ったりする活動は、単なる反復に終わることなく、音楽的感覚を働かせてみずから評価し、必要な知識・技能を身につけ、活動の質を高めていくよう、一人一人の能力に即した指導助言を行い、その積み重ねによって、音楽的感性を養い、音楽を愛好する心情を育てるようにする。

(四)　鑑賞は表現と密接な関連と調和をもって行われるようにするとともに生徒の興味や関心を高め、感受力を高めるよう指導にくふうをこらし、進んで音楽を味わおうとする意欲や