教育福島0041号(1979年(S54)06月)-018page

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四、地域ぐるみの生徒指導の推進

近年、生徒をとりまく家庭・学校・社会の生活環境が大きく変化し、生徒の意識の多様化と生活行動の広域化が著しい。

したがって、生徒の健全な育成に当たっては、家庭・学校・社会の連携を緊密化するとともに、関係機関、団体などと一体となって、その指導を推進しなければならない。

しかしながら、このような地域ぐるみの生徒指導は問題点も多く、その効果的なあり方が樹立されていないというのが現状である。

福島県教育委員会では、この当面する生徒指導上の重要課題に対処するための施策の一つとして、昭和五十三年度から「生徒指導推進地域」として郡山市を指定し、実践研究を進めている。

以下、生徒指導推進地域における、「地域ぐるみの生徒指導」推進状況等について検対してみる。

(一) 福島県教育委員会指定と郡山市の健全育成事業の推進

県教育委員会の指定をうけ、郡山市においては青少年の健全育成の諸施策を推進することとなるが、県教育委員会もこれらの施策の一部を分担し、次のような事業を行うこととしている。

1 推進会議の開催

2 指導者研修会の開催

3 広報活動

である。

これらの事業の推進のため、県教育委員会では、郡山地域生徒指導推進委員会を設置した。しかし、これらの事業は当然、郡山市の協力と支援のもとに行われるものであり、前述の推進委員は、郡山市長の推薦を得て、県教育長が委嘱する形をとっている。したがって、実際の諸事業は、県教育委員会と郡山市が一体となって推進しているものである。

(二) 郡山市における青少年健全育成

地域ぐるみの生徒指導推進モデル地区である郡山市は、現在精力的に青少年健全育成事業に取り組んでいる。

青少年健全育成推進の目標

1 明るい家庭づくり

2 豊かな人間づくり

3 地域ぐるみの運動推進

4 住みよい社会環境づくり

5 非行予防と事故防止

6 広報活動の推進

推進組織

1 郡山市における青少年行政にかかわる機構改革

(1) 市教育委員会社会教育課内に「青少年室」を新設し、福祉事務所の所管になる「少年センター」も同課に組織がえをした。

(2) 企画課、広報課、生活課・支所、公民館等も組織内に組み入れ市政ぐるみの体制づくりを行った。

2 郡山市青少年健全育成推進協議会(市推進協と略称)の結成

(1) 青少年育成にかかわる七十二の団体が一つの組織にまとまった。構成団体は次のとおり

学校関係 (十四団体)

補導関係 (六団体)

行政関係 (十一団体)

青少年団体 (十一団体)

関係団体 (十団体)

業界団体 (十九団体)

郡山市 (一団体)

(2) 市推進協の組織機構は左表のとおり

3 地域に根ざした地区協議会づくりの推進

(1) 地区協議会づくりの基本方針は次のとおりである。

・できるだけ多くの地域住民の参加が望ましいこと。

・市の行政指導は極力さけ、地域の特色を生かした組織づくりとすること。

・中学校を単位とする二十四の地区づくりをすすめること。

(2) 地区協議会は基本方針に基づいて次のように結成されている。

・旧市内では、児童生徒の父母、関係団体の代表者の参加が主で、新市内(周辺部)は全戸加入の傾向が強い。

・地区役員は旧内市でPTA役員、保護委員が多く、新市内は以上のほか班長、区長、町内会長と多様である。

・地区の会長には、支所長、

 

 

 

 

 


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