教育福島0041号(1979年(S54)06月)-019page

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公民館長、市補導員、地元有識者、PTA役員等が選ばれ、事務局は支所、公民館、小中学校に置くなどユニークな構成である。

補導活動、環境浄化の推進

1 地域ぐるみの補導活動の展開

(1) 市推進協のメンバーである市少年センター、県南生活指導協、保護委員会郡山支部、警察防犯課が連携し、街頭補導、列車補導、喫茶店補導をすすめた。

(2) 市推進協は次の活動を実施した。

・非行防止チラシの街頭配布

・非行防止ポスターの掲示

・非行防止懇談会の開催

2 地域ぐるみの環境浄化の推進

(1) 市推進協は、父母、関係諸機関の協力を得て、環境所在調査を実施し父母の啓発を図っている。

(2) 組織内の高校保護委員会、生活指導協郡山支部も環境浄化運動に取り組んでいる。

・青少年喫煙防止の立看板の設置

・県青少年健全育成条例の徹底

・喫煙防止委員会設置による調査研究

健全育成の推進

高校保護委員会の郡山支部は生徒の善行をたたえるための「善行賞表彰制度」を設け、健全育成のための積極的な方向づけをしている。

青少年の社会参加の推進

1 生きがいの意識調査

「あなたは、生きがいを、どこに求めていますか。」保護委郡山市富久山地区で行った高校生八百名の調査で、四・一%の生徒が「社会奉仕」に生きがいを求めていることが明らかになった。全体からみてその割合は多くはないが、地区として奉仕への芽を伸ばせるような場を設定すべく具体案を練っている。

2 市推進協は児童生徒の社会奉仕活動を助長するため、次の事業を実施した。

(1) 駅前、地下道、開成山公園の清掃奉仕活動(小中高校生のベ三百名が参加)

(2) 高校生の新しい仲間づくりの集い「地域社会の参加」(公私立高校生百名参加)

初年度の反省事項と来年度への展望

1 学校、父母、地域団体の連携がすすめられ、地域ぐるみの生徒指導組織の一本化が図られた。

2 生徒指導が、非行防止の補導面のみでなく、地域の環境浄化をすすめる活動や、生徒に対し社会への関心を高め積極的に健全育成を図るなど、調和のとれた活動が推進されたことは好ましい。

3 全国総体、その他の事情により推進事業が大幅に遅れたが、担当者や、高校生活指導協議会、高校保護委員会その他の関係者の協力によりほぼ計画とおりの事業が消化できた。

4 地域ぐるみの生徒指導の成否は、地区協議会づくりにあるといえる。したがって、

・市推進協との連携のあり方

・地域住民の理解と協力をどのように求めたらよいか

・指導者の問題、組識と運営のあり方

等は今後の課題である。

 

教育相談室(福島高)

 

教育相談室(福島高)

 

五、非行の予防的指導の徹底

(一) 非行激増の背景

近年、特に顕著になりつつある女子生徒の非行をはじめ、粗暴行為、窃盗、家出など、生徒の非行は激増の傾向にあることはいうまでもない。これらの増加の背景については各方面から論じられているが、これらの背景になっているといわれる最近の生徒の一般的傾向について次のようなことが指摘できる。

1 一般的に生徒は厳しく暖かい環境の中で育てられていないこと。

かなり多くの生徒が過保護あるいは放任の生活環境の中で育ち、しかられることになれていない。両親による失敗の先どり、そして後始末は親がしてやるという生活がある。したがって、それらが高校生としての発達課題に対する解決意欲の低下や、論理的に思考する訓練の不足などが高校生の生活意識を低くしている。

2 主体性がなく、心が弱いこと。

仲間集団に追随的で、自己主張の少ない生徒に意外な非行の発現が見られる。集中力に欠け、衝動的に行動し、その行動が自己の品位を傷つけるという自覚がないので容易に非行に走る傾向がある。また欲望に押し流され、社会生活のルールから逸脱してしまう傾向がみられる。

3 人生に対する見通し、目的意識に欠けていること。

ややもすると現代の情報化社会に埋没し、人生を模索しすすんで将来への展望を持つことがができない。

4 学力の低さ、それを自己の全人

 

 

 


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