教育福島0041号(1979年(S54)06月)-029page
教育事務所
日誌
-相双-
相双からは、夏にさきがけ、"海浜清掃"話題をお届けします。
相双の海岸線は、まもなく、青い海に涼を求める人々でにぎわいます。
でも、にぎわいが増すだけ、美しい景観が心ない人々の捨てる空かんやびん、その他の廃品でそこなわれていくことも悲しい事実です。
こうした事態に心を痛めている相馬市立中村第二小学校、同中村第二中学校の児童生徒たちは、「わたしたちはふるさとの自然を保護します。」(中村三中生徒会環境整美宣言)をモットーにすでに十数年も前から、学校をあげての海浜清掃を実施しています。
特に、夏休み前の清掃は大々的で両校合同、一日がかりで行います。
いやあ!あるわあるわゴミの山
きれいになった砂上でのすもう大会も楽しい
実施当日、登校後、直ちに、朝もやをついて、学校から約二キロメートルはなれた原釜海岸へ。
ここで、両校の連絡会の計画により仕事の分担。場所、時間などを聞いていっせいに作業開始です。
小学生は、原釜海水浴場一帯、約四、五百メートルの範囲のがらくたをビニール袋に入れてあつめます。
中学生は、さらに外回り、松川浦口までの約千五百メートルをうけもち、兄さん、姉さんの力の見せどころとばかり、廃木を使ったたんかや船舶用ロープで、流れついた大きな廃材などまでエンヤコーラとあつめて回ります。
みんなの力で、たちまち廃品の山ができあがりました。
さらに、これらは焼却されたり、衛生車の協力で片づけられます。あたり一帯がすっかりきれいになると、今度は、レクリエーションの時間です。
小学生は、学年ごとにすもうやドッジボール、趣向をこらしたゲームに歓声をあげます。
中学生は、グループごとに"砂の芸術"。海の子らしい夢を託した雄大なマンモスなど楽しい作品をしあげ、続いては、学級対抗海浜マラソンと大活躍です。
(なお、天候や気温次第では、海水浴で初泳ぎになることもあります。)
こうして汗を流したあとは、楽しい楽しい弁当の時間。その後、きょうの反省をして一日の行事が終わります。
このようなけなげな活動に、地元の観光協会や老人クラブからごほうびが届けられることもありますが、これらは、さっそく児童会や生徒会の活動資金として役立てられます。
ところで、この話題を取材していたら、実は、他からもいろいろな情報がよせられてきました。
待に、同じ管内の双葉郡大熊町立熊町小学校でも、すでに数年前から五、六年生が校区内の海浜清掃をやっているとのことです。相双の海岸線、北でも南でも、今年もまたまもなく、この海浜清掃が行われます。県内各地のみなさん、ことしもたくさんおいでください。先にあげたような小・中学生のかげの努力に拍手をおくってください。