教育福島0041号(1979年(S54)06月)-034page
高齢者ボランティア
白河市教育委員会
わがまちのしゃかいきょういく
はじめに
わが国が人類史上類例のないスピードで、世界一の長寿国にのし上がってきたことは、まことに喜ばしい限りであるが、こうした高齢化社会を迎えようとしているとき、急激な高齢化社会についての対応策が手おくれとなりつつあること、また、老人自身にとっても、これからの長い老後をいかに過ごすかが、今後の大きな課題となってきている。
ちなみに、全国の高齢者の占める割合いを見てみると、昭和四十九年で十一・六パーセントであり、昭和五十四年には十三・二パーセントとなって、さらに二十年後の昭和七十年には、二十一・二パーセントになるだろうと人口問題研究所では発表している。
本市の場合も全国平均と同じように昭和五十四年には十三パーセントという数字を示しており、年々上昇しつつあることは間違いない。
一、高齢社会の課題
老後の生活を安心して送れる年金制度、病気に対する医療制度、生産年齢人口の減少に伴う働き手の税負担の加速度的増加、高度成長期から安定成長期に入っての中高年齢者の雇用問題等、行政面の問題は山積され、その対応は困難である。
さらに、もう一面の老人自身の問題についても、バス老人(一日中無料バスにのっている)・青空老人(公園でのひまつぶし)・デパート老人(終日デパートで退屈しのぎ)・病院社交場(病院は社交場と化す)などと、ひまをもて余しての老人の生きがいについての論議がなされ、いかに老いるか、老いの生き方というものが社会の関心事になってきている。
地域の一般成人者を対象とした学習会では、要望にそって高齢化社会を考えるテーマで学習会を行ったが高齢者が考えていることは、これからの余暇の増大による過ごし方、ボランティアによる生きがい等、社会のため、地域のために役立ちたいと願っていることであった。社会教育の指導者として御協力を願いたい。
二、老人問題の対応策
老人クラブの育成、高齢者教室の開設、就労のあっせんなどについては、各方面の協力のもとに実施をすすめているが、こういった施策だけですまされるものではなく、老人自身が、いかに生きがいをみつけていくか、老人の意識改造が大きなポイントとなってくる。趣味をもつことも、仕事をみつけることも、解決策の一つではあろうが、高齢化社会になればなるほど、与えられるものだけを期待することより、老人自身も地域住民との人間関係を深め、生きがいをもつために、自主的、積極的にボランテイア活動にとりくむことが、今後の望ましい方向ではなかろうか。
三、高齢者ボランテイア活動
幸いにも、白河市においては、昭和五十三年度国の補助として、高齢者人材活用事業が新設されたことは、こう