教育福島0042号(1979年(S54)07月)-009page

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社会に対する啓発、啓蒙、教職員の確保と養成が基礎であることは疑えない。したがって、これらの基本方針に基づき、教育の究極のねらいである人間形成をめざし、能力・適性・個性の伸長を図る教育目標の樹立が必要となる。そのため、県教育委員会は、昭和五十四年度養護教育の重点目標として、「義務制施行に即応する養護教育の推進」を六本の柱の第二に掲げるとともに、教育機会の拡充、教職員の確保、教育施設・設備の整備充実を具体目標としさらにそれを実践するための五つの施策を設定して養護教育を推進することにした。表1はその体系図である。

 

(二) 指導の重点

 

前述の重点目標を受け、本年度特に養護教育指導の重点として取り上げていきたい事項を以下に述べてみる。各学校における各教科、領域等の重点と調和させながら、この教育の充実振興のため努力しなければならない。

 

1、適正な就学指導

 

養護学校教育義務制施行に伴い、就学指導は、今後養護教育において最も重要な指導の一つとなってくる。

したがって、各学校においては、次のことがらをじゅうぶんに留意して就学指導にあたることがたいせつである。

 

● 心身障害児校内就学指導組織の適正化を図り、全職員の協力により就学指導を進める。

● 県(市町村等)の関係機関とじゅうぶんな連携をとり適正な、就学指導を進める。

● 心身障害児に関する校内研修を行い、検査・診断の技術を研さんする。

● 保護者との教育相談を密にし、じゅうぶんな話し合いののちに適切な教育措置を講ずるように努める。

 

2、適切な教育課程の編成

 

● 養護教育対象児の障害や程度をじゅうぶんに考慮し、それに応じた編成にあたるよう努力する。

● 盲・聾・養護学校学習指導要領を基準とし、一般小中学校の学習指導要領を参考にして障害の状態に即した教育課程を編成する。

● 個々の児童生徒の障害に応じ、個別に目標をたて、評価・反省を行いながら指導を行う。

● 指導計画は、学校(学級)の実態と児童生徒の障害程度の実態に即して、合科、統合の指導形態、教科別、領域別指導を組み合わせる。

 

3、障害の種別、程度に対応した学校運営・学級運営

 

● 各学校(学級)の教育目標の具現化のための適切な運営計画をたて、学校(学級)運営にあたる。

● 小学校及び中学校の児童生徒に心身障害児に対する正しい理解と認識を深めさせるため適切な交流を図る。

 

4、障害に応じた指導方法及び教材教具の活用と開発

 

障害の多様化に即応する養護教育に今後求められるものの一つに、新しい指導方法と教材教具の開発がある。既製の教材教具にとらわれることなくその開発に努力する。

● 障害の程度、発達段階に応じて指導方法を確立する。

● 絶えず研究を行い、適切な教材教具の活用に努めるとともに、より適切な教材教具の創作、改良に努める。

 

5、身辺処理の確立、社会的自立を強化する指導のくふう

 

● 個人理解を深め、有効な指導方針を立て、できる限り具体的・個別的な指導を行う。

● 身辺処理の確立のため、家庭との連絡を密にし、指導が一貫して行われるよう配慮する。

作業学習を取り入れ、責任感や自立心のかん養に努める。

 

表1 重点施策の体系

 

義務制施行に即応する養護教育の推進

 

(1)教育機会の拡充

1) 心身障害児就学指導体制整備の促進

2) 養護学校の適正配置

3) 訪問教育の充実

 

(2)教職員の確保

1) 養護学校新増設に伴う教職員の確保

 

(3)教育施設・設備の整備充実

1) 養護学校の新増設と設備の充実

 

 

 


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