教育福島0042号(1979年(S54)07月)-017page

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コミュニケーションを充実させることによって、治療上、生活管理上、必要な制度や規則に対して、家族の協力を促す。・子どもに対する正しい養育のしかたを学びとり、良き患者家族として、子供の治療指導に参加し、協力できるようにする。・集団生活の教育的な価値を理解し、親の連帯感を強め、病棟の生活づくりに参加し、協力できるようにする。・個別的な相談活動と組み合わせ、親の養育に対する主体性を育てる。

● 学校保健委員会を通して

医師、薬剤師、そして看護婦・保護者、教師、児童・生徒の代表によって、学校保健委員会を組織し、目標に向かって活動している。

・保護者としての喘息児に対する訓練のあり方。・基本的な生活習慣づくり。・施設・設備の環境衛生的改善。・健康相談。これらの事項についての実施過程で、保護者の理解と協力を得ている。

● 相談活動を通して

転入学時、面会時、そして相談活動等の機会を利用して、『正しい子供の理解』を深めている。

正しく子供を理解する過程で、養育に対する保護者の意識は、主体化されている。

● PTA活動を通して

教養活動の視点を『健康な生活づくり』に置き、親の願いをふくらましている。親子分離の入院態様で、しかも入院の長期化に伴い、健康な生活習慣づくりが、強く求められているので、これに力を注いでいる。

これらの視点を共有化し、親の願いをみたしていくことにょって、保護者の内的報酬は高まっている。

 

計画的におとずれるナース

 

計画的におとずれるナース

 

4、福島市立福島養護学校

 

(1) 義務制にあたって思うこと

 

福島の養護教育では盲学校教育が明治三十一年に始まり昭和二十三年に義務制になった。養護学校の義務制施行はようやく本年からで遅れること約二十年である。

本校の前身は昭和二十七年福島市立第四小学校の愛護学級の開設がはじまりであるが、正式に養護学校になったのは昭和四十年で東北では仙台の光明養護学校についで早い方である。

本校は通学制の養護学校として当時の父兄の要望と教師、市教育委員会の方々の努力によって設立された。先人の方々が父母と一体となって精神薄弱教育を進め、常々先導的試行を重ねてこられたことはわれわれの誇りである。

今回の義務制施行にも早くから対応すべく、重度の子を入学させ、教育方法の開発を試行してきた。通学困難な子の入学には父母として不安はあったものの、一日一日と登校の自立ができる姿を見て、学校教育の力に驚きと喜びをもって学校に協力してくれている。

児童の入学についても幼児からの教

 

きょうは楽しい遠足だ (福島市児童公園で)

 

きょうは楽しい遠足だ (福島市児童公園で)

 

表9 親のニーズのなかみ

 

1、治療指導

・治療状況・今後の見通し

・病気、検査の説明

・面会、外出、外泊などの連絡

 

2、病棟生活指導

・日常生活規制

・規則違反

・玩具、持ち物の流行

・友人関係

・学 習

 

3、精神衛生指導

・病室内のふんいき

・子供への気持ち

・子供への心くばり

・子供への接しかた

 

 

 


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