教育福島0042号(1979年(S54)07月)-021page

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ない子供である。そんな子供もオシッコをするときは、そのあいだだけ立ちどまる(ss)。排尿して(so)ズボンがぬれても、再び動きはじめる場合を図3図4と同じように考えると、図5になる。Y(ss-ss)のような信号は、コミュニケーション関係にある者相互間で約束して構成した信号でないため、動いていたのが立ちどまったら、かたわらの教師などが「オシッコだな。」と、その信号を読みとる必要がある。時には、立ちどまってもオシッコとは関係ないこともある。誤まりなく行動を読みとるためには、主体者である子供についてよく知っていなければならない。こうした関係成立が土台となって、約束にもとづいた信号(アメスランのような身振り信号など)へと高めることもできるようになる。確実な基礎づくりができていないところに、突然、高次な信号を形成することは不可能である。

 

〔引用文献〕

(1)「訪問指導事例集」一九七八、文部省

(2)「山梨県立盲学校における盲聾教育に関する研究」一九七〇、文部省

(3)「特殊教育21」(季刊誌)一九七八、文部省

 

七、健常児と障害児の交流

 

(一) 交流の意義

 

障害児教育に対する理解が深まるにつれて、これまでの教育のあり方に対する反省もいろいろなされるようになった。従来の盲、聾、養護学校の教育はもっぱら学校、寄宿舎、施設の生活のうえに立ってなされ、そのわく内でいかに適切な指導をすすめるかという課題に沿って努力されてきた。しかしその過程で従来の学校教育のわくを守るだけではどうしても身につきにくい内容があることに気づいた。むしろ、従来の養護教育のわくを見なおすことでより良い効果とあらたな展望も開けてきた。また近年になり、養護学校教育の義務制実施をひかえ、障害児教育に対する社会的な関心と問題意識がようやく高まり、以前よりもより交流がすすめやすくなった。

このように、交流は盲、聾、養護学校や特殊学級の教育の成果をふまえ、その発展や補完をはかるものとしてすすめられる。

それと同時に、すべての人々に福祉の心を育成することが将来の社会の発展をうらなうカギとなるともいわれている。この点で、養護教育諸学校もさることながら、交流は福祉の心を意図的に育てなければならない通常の幼稚園、小学校、中学校、高等学校にとっては基本的な課題としなければならないことがらであろう。

 

(二) 交流教育の推進について

 

いわゆる「辻村答申」といわれる、「特殊教育の基本的な施策のあり方について」(報告)の中で、「心身障害児の個々の状態に応じて、可能な限り普通児とともに教育を受ける機会を多くし」とかかげられている。具体的には特殊教育諸学校小学部・中学部学習指導要領第四章特別活動に「経験を広め社会性を養い、好ましい人関関係を育てる」ために積極的に交流の機会を設けることが望ましいと述べられている。また、教育課程審議会は文部大臣の諮問を受けて、「盲学校、聾学校及び養護学校の小学部・中学部及び高等部の教育課程の基準の改善について」の答申の中で、健常児と障害児がともに活動する機会をできるだけ多く設けるように表明している。

ところで、養護教育諸学校が小中学校を相手校として交流の機会を設定しようとするときにいろいろと困難が

 

表15 心身障害児理解推進校(昭和54年度文部省指定)

 

小学校中学校
福島市立福島第四小学校郡山市立郡山第二中学校

 

養護教育交流推進事業

〈交歓会〉

 

地区会場期日対象校
県北霊山子どもの村9月20日県立盲学校
県立聾学校福島分校
福島市立福島第四小学校
県中郡山市内5月17日県立郡山養護学校
郡山市立富田小学校
相双霊山子どもの村10月9日相馬市立養護学校
相馬市立桜丘小学校

(合同野外活動〉

地区会場期日対象校
県北県少年自然の家9月11日〜12日県立盲学校
郡山市立河内中学校
県中県少年自然の家11月9日〜10日県立郡山養護学校
大信村立大信中学校
相双海浜青年の家10月5日〜6日相馬市立養護学校
相馬市立磯部中学校

 

 

 


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