教育福島0042号(1979年(S54)07月)-030page

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研究実践紹介

 

一人一人に学習のしかたを身につけさせ学習意欲を育てる指導

 

郡山市立郡山第二中学校教諭 西舘与四孝

 

一、主題設定の理由

 

学習適応性検査、日常の観察などから、生徒の学習状況を分析してみると

○各教科の学習のしかた

○家庭学習のしかた

などがよく身についてなく、意欲的に学習に取り組んでいないのではないかということが明らかになった。

これらの問題点の要因を学級担任として分析してみると、

〇学級での学業指導が「勉強しなさい。」というような一般的な指導になっていたのではないか。

○生徒相互、生徒と教師の望ましい人間関係の醸成がふじゅうぶんであったのではないか。

○家庭との連絡・連携がふじゅうぶんであったのではないか。

などをあげることができる。

これらの要因を克服し、一人一人の生徒が学習のしかたを身につけ、積極的にしかも意欲的に学習に取り組むようにさせたいと考え、本主題を設定した。

 

二、実践の見通し

 

学習担任として

○学習のめあてを自覚させること

○家庭学習のしかたを理解させること

○相互協力学習のふんい気をつくること

○家庭との密接な連絡・連携をはかること

などを意図的・計画的に実践していけば、一人一人に学習のしかたを身につけさせ、学習意欲を育てることができるであろうと考えた。

 

三、研究と実践の概要

 

(一)学習のめあてを自覚させる指導

表1のような学習のめあてを設定し、学級指導などの時間を中心にくりかえし指導した。

 

(二)家庭学習のしかたの指導

1)各教科の家庭学習のしかた

各教科担当の先生方から復習のしかた、予習のしかたのポイントを挙げてもらい、それを表2のようにまとめ、毎日の予習、復習を行う場合には必ずそれらを参考にして学習するように指導した。

 

2)週の学習計画表の作成とその活用

生徒一人一人に、表3のような週学習計画表を作成させ、それに基づいた計画的な学習ができるように指導した。

 

表1 学習のめあて

 

望ましい学習方法の体得と充実向上をはかること

 

○1年で学習した内容を再確認し、自分のものにすること

○2年で学習する内容をしっかり自分のものにすること

 

ア.毎時の授業を充実させること

イ.自主的・計画的学習ができるようにすること

ウ.協力して学習する態度、体制を確立すること

エ.学習について自己理解をし、長所をのばし、欠点を補う努力をすること

オ.疑問点を明確にし、意欲的に解決すること

力.誤答箇所をよりたいせつにし、その解消につとめること

キ.教科のバランスを考えた能率的な学習をすること

 

表2 復習のしかた、予習のしかた

 

《国語》

○復習

・授業で習ったところをよく読む

・授業プリントをノートに整理する

・漢字の読み方、書き方を何回も練習する

・授業のノートを参考にポイントをもう一度ノートからおさえ理解する

〇予習

・予習用プリントの問題を解決する。問題点を必ずおさえてくる

・教科書を読み、読めない漢字、意味のわからない語句を調べる

《社会》

○復習

・授業で習ったところを読む

・授業のノート、教科書を参考に、今日習ったところでたいせつなところを復習ノートに書きながらおぼえる

・復習ノートに地図、年表の略図をかきながらおぼえる

○予習

・教科書を読む、学習の手びきを行う

・何を学ぶのか、課題意識をもって授業にのぞむ

《数学》

〇復習

・予習で△、×だったところ、授業のポイントのところ(例題など)をもう一度行う

・プリントの類題などを行う

○予習 ・予習課題にだされたプリントを教科書を参考にして行い、わかったところ、わからないところをはっきりさせる。次の印をプリントにつける

 

表3 週学習計画表

 

内容・曜日


一週間分の
総まとめと練習
(教科、1・2年の復習)

国、社
課題各教科の指示により実施する



 国社数
理 英
1・2年の復習学年の計画に従って実施する
自分の計画弱点教科の補強など
その他読書、スポーツなど

 

 

 


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