教育福島0042号(1979年(S54)07月)-031page

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3)学習カードの作成と活用

表4のような学習カードを数多く作成しておき短学活時に「今日は家庭学習で何教科の何をやるのか」などを確認させ、それに基づいて計画的でしかも能率的な家庭学習ができるように指導した。

表4 学習カード

 

月日( )

復習課題予習1・2復自分の計画
朝学    
    
    
    
    
         

 

4)「学習のあしあと」の活用

本校では表5のような「学習のあしあと」を生徒に記入させ計画的な生活と学習ができるように指導しているが学級でもこれを積極的に活用するように指導した。

一週間の終わりには、父母と教師が目を通し押印し、学習時間の取り方。学習内容などについて記入し、生徒に学習のしかたを助言してきた。

(三)相互協力学習の指導

生徒が相互に理解しあい、協力して学習を進めていこうとする意欲を高めるために、表6のような記録表を作成し、班ごとに家庭学習と校内生活の状況を点検させた。また、自分たちの力で問題を発見し、自分たちの力で解決したり、練習したりすることが大事であると考え、点検表の中に「一問学習」の欄を設け、毎日給食終了後十五分間ぐらい取り組ませた。

 

点検表の中にある「あゆみ」はその日の生活や学習で感じたことを記入する欄である。

(四)家庭との連絡・連携

生徒の学習のしかたの改善は、家庭と学校の一体化した生活のしかたの改善が基礎になると考え、次のようなことを実践してきた。

1)あしあとの点検と助言

生徒が毎日記入している「あしあと」を週末には必ず、教師・父母が目を通し、助言を与える。

2)生活と学習に関する資料の提供

生徒の生活や学習の改善に関する次のような資料を提供し、各家庭で役立ててもらった。

○学習時間の取り方、学習のしかた

○学習にうちこめる子、うちこめない子

3)生徒と学習の総点検

表7のような点検表を用いて、生徒の生活と学習の実態を二か月ごとに調べてもらい、関心を持ってもらうと同時に生活づくりの協力をお願いしてきた。

 

四、実践のまとめ

 

以上の実践のなかで、各教科の学習のしかたが理解され、家庭学習も計画的に行うことができるようになり、意欲的にしかも積極的に学習しようとするふんい気と態度ができてきた。

反面、いろいろな手だてをしても、各教科の基礎的なことがらが身についていないなどの原因から、学習に対する意欲を欠き、学習に積極的に取り組むことができないでいる生徒もいるし、家庭内の複雑な事情から、生活そのものが乱れ、学習に取り組む以前の深刻な問題を持っている生徒もいる。

 

五、実践の反省

 

生徒一人一人に学習のしかたを身につけさせ、学習意欲を育てるために、学級担任として実践すべきことを明らかにしながら取り組んできたわけであるが、この実践はようやく緒についたというのが現状である。

生徒が将来、真に一人だちして生活することができ、社会の一員として自己の能力と適性を発揮できるようになるためには、生徒一人一人が、どのような学習のしかたを身につけていかなければならないのか、どのような学力を身につけていかなければならないのか、などについてさらに自己研修をし実践的に研究を深めていきたい。

 

表5 学習のあしあと

 

表5 学習のあしあと

 

表6 記録表

 

表6 記録表

 

表7 家庭生活と家庭学習の総点検

 

区 分日(日)
起床時刻 
起床のしかた 
食事の有無 
朝のてつだい 
家を出た時刻 
服装 
帰宅時刻 
帰宅時の服装 

 

 

 


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