教育福島0042号(1979年(S54)07月)-034page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

青年地域活動八年の歩み

 

保原町教育委員会

 

わがまちのしゃかいきょういく

 

はじめに

 

本誌昭和五十一年七月号「わが町の青年教育」の中で、

○若者によるふるさとづくり事業

○中央青年学級の運営

○青年団体リーダー養成事業

の三点について、その事業の概要を紹介したので、今回はこれらの事業の経過とその後の成果について要約してみる。

 

一、中央青年学級の発足とその成果

 

昭和四十六年当時は景気絶頂のときで、若い労働力は都市企業に吸われ、町に残った青年たちは意気が上がらず活動もとだえがちで、地区青年学級への入級者は激減、やむなく中央青年学級一本とした。

当時、中央公民館運営審議会が行った「わが町の青年を私はこう見る」のアンケート調査には、

・ 自分のことしか考えず、生活行動にモラルが欠けている

・ 金と物とが幸福の最大条件だ……とする風潮が強い

・ 進んで学習や研修に参加する意欲に乏しく、単におもしろいことや得をすることに興味を持つ者が多い

・ 単純な判断を好み、思慮深い行動を嫌う傾向が強い

・ 自然や生物への愛情に欠ける

・ 社会秩序を無視した言動が多い

・ 義務、責任、秩序、道徳、節約、奉仕などの言葉にさえ抵抗を感ずるふうがみられる

・ 行政には特に無関心で、政治意識は極めて低い

こうした実情を踏まえて、青少年教育を公民館事業の中核にすえて、まず青年学級をリーダーづくりの場とするため、学習内容を整備して「青年学級生手帳」を編集し、生徒の自主活動を盛り上げるなど、その運営に全力を投入した。

幸いにして入級する青年には優秀な者が多く、二か年間の学年制を定着させ、「青少年教育実技指導者」を認定し得る単位を習得するまでに成長し、学級終了後は各種の団体やサークルに参加して、やがて、そのインリーダーをつとめ、健全な活動への大きな誘導力となった。

 

座禅体験 宿泊訓練風景

 

座禅体験 宿泊訓練風景

 

二、ふるさとづくりの発足と経過

 

ふるさとづくり事業の県指定を受けた昭和四十八年度の「ふるさとづくり企画委員会」の青年地域活動に対する意見書にはこう記されていた。

・本町には二千人を超す未組織青年がいると推定されるが、これを減らす施策が必要だ。

・青年の流出の激しい地区ほど住民に活気がない。何よりも地区青年団の復活が必要だ。

・青年のサークルは割合に多いが、みんなばらばらで、会員としての自覚も足りない。……連帯意識を育てる施策が必要だ。

・青年団体のインリーダーづくりををさらに強化する施策が必要だ。

・これらの対策は、できるだけ青年自身の手で企画し実施させたい。

これを受けて、町内の青年団体や職場からの代表三十六名で「ふるさとづくり実行委員会」を結成し、下部組織の意見を吸い上げながら、活動の内容を次のように押さえた。

1、独りぼっちの青年をなくすための事業

2、他団体やサークルの活動をお互に理解し合うための事業

3、われわれの一人一人が正しく成長するための共同研修事業

4、われわれの成長を妨げる悪い社

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。