教育福島0042号(1979年(S54)07月)-038page

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教育センターから

 

研修講座・研究活動

 

−−理科−−

 

一、はじめに

 

理科関係の講座は、理科教育センター発足以来、時代のすう勢に即応した内容により、実験や自然観察の方法とその指導法、教材・教具の製作等をとおして研修を深め、その識見と指導力の向上を主眼として開設されてきた。

これまで、研修講座等を通じ多数の先生がたに接し、理科指導上のさまざまな問題点を知ることができた。これら諸問題の解決をめざし、かつ、研究成果を研修講座に反映させることをねらい、学習指導法、指導内容及び教材・教具の開発等、所員の研究活動は多岐にわたって積み重ねられてきた。

これまでの研究成果をじゅうぶんに取り入れるとともに、各講座に特色を持たせるように考慮し、現在、小学校四講座、中学校二講座、高等学校三講座の合計九講座を開講している。

ここでは、講座の特色及び研究活動の一部を紹介することにする。

 

二、研修講座の特色

 

小・中・高等学校とも新学習指導要領が告示され、小・中学校ではすでに移行期に入っている。このような時期において、新学習指導要領の内容をじゅうぶん検討し、その趣旨による実験・観察をとおした学習指導法についての研修は当然であるが、さらに、講座の特色として、次の点をあげることができる。

(一)「授業研究」を行うこと。(小学校A講座)

研究目標の決定、授業研究方法の選択、対象授業の決定、指導案作成を含む授業実施の計画と準備、福島市内の小学校の協力による授業観察、事後研究といった基本的な授業研究の手順を一通り演習し、理科の授業研究のあり方を研修する。

(二) 野外観察を行うこと。(小学校A・B、中学校A講座)

生物・地学は自然を直接観察することがたいせつなので、福島近郊の河川と植物、地層及び吾妻山系の火山地形と植生の野外観察を行う。

(三) 教材・教具の製作を行うこと。(小学校移動・C、中学校A・B講座)

授業ですぐに役立つような教材・教具の製作を行い、学校に持ち帰って活用してもらう。

(四) 「理科1)」関係の研修を行うこと。(高等学校B講座)

高等学校新学習指導要領に示された必修科目の「理科1)」を内容とした新設講座で、本年度は「力とエネルギー」「物質の構成と変化」及び「人間と自然」を取り扱い、来年度は、「進化」「自然界の平衡」及び「人間と自然」を取り上げる予定でいる。

(五) 研修者の担当科目以外の他科目研修を行うこと。(高等学校A講座)

(六) 希望者に対して夜間天体観測を行うこと。(小学校A・B・C、中学校A・B、高等学校理科実技・B講座)

 

須川中流のレキの観察 学校理科A講座

 

須川中流のレキの観察 学校理科A講座

 

三、研究成果の出版

 

学習指導法及び指導内容等の研究成果や先生がたから出された問題点の解決策等は、研修講座で取り上げるだけでなく、「指導のてびき」としてまとめ、広く先生がたに指導資料として活用してもらうため刊行してきた。次に刊行予定のものも含めてそれらを紹介する。

○理科教材指導のてびき(小学校)

A・B・C三領域の各学年にわたる指導事項六十九項目についての解説。

 

 

 


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