教育福島0043号(1979年(S54)08月)-006page

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特集  進路指導の充実

 

特集 進路指導の充実

 

進路指導上の諸問題について 義務教育課

 

はじめに

 

進路指導においては、生徒一人一人の進路希望をより望ましいものに育成することが、 一つの大きなねらいである。しかし現実の生徒は、進学したいとか就職したいなどの希望表明はできるが、その理由になると「上級学校に入ってから将来の進路を考えたいから」とか、「家族や周囲の人にすすめられたから」「みんなが高校へ行くから」「ただなんとなく」といった者がみられるように、生徒の進路希望一つをとってみても問題が少なくない。今回は、中学校における進路指導の反省の視点、チェックポインといったものについて述べることとする。

 

一、 進路指導の指導計画

 

進路指導は全教師が、それぞれの役割を分担し、すべての生徒を対象として指導しなければならないもので、どの教師が、いつ、どこで、どのように指導するか等についての共通理解がなされなければ、一貫した進路指導を進めることはできないばかりか、成果をあげることもできない。

進路指導の全体計画は、校内における進路指導をどのように位置づけ、どのように目標づけるかを示すものである。全体計画が校長・教頭や進路指導主事等一部の教師によって作成されるのではなく、全教師の参加によって検討され作成されることがたいせつである。全教師の手により作成することが、全教師の共通理解を図ることであり、役割分担の明確化や進路指導に対する認識を深めることになるのである。自校の実情、地域の実態、生徒の実態等をふまえて、自校の進路指導の目標、方針を明確にするとともに全校的指導体制の確立を図るように努めたい。

●全体計画は作成されているが、計画どおり実施されているか。

●年間計画において、第一学年当初から計画的・継続的な指導ができる計画となっているか。(第三学年に集中していないか。)

●学級指導内の進路指導の時間が、生徒の実態から適切に配当され、自己理解や職業観の育成が図られるようになっているか。

●学級指導における進路指導と各教科や道徳及び学級指導以外の特別活動や個別相談、就職・進学の援助指導が密接に関連しながら指導できる全体計画となっているか。

 

二、校内指導体制

 

進路指導は、学校のすべての教師が学校の教育活動のあらゆる場で、組織的・継続的に行うことによってその成果が期待できるものである。そのためには、学校規模、職員構成等を考慮した自校にふさわしい組織がつくられ、効果的に活動されていなければならない。特に組織が機能的にその役割を果たしていなければならない。

 

 

 


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