教育福島0043号(1979年(S54)08月)-012page
し、合理的な進路指導を展開する。
2) 生徒みずからが、自己の進路について考え、個性に応じて進路を選択したり、さらに将来の生活において、職業的自己実現が図れる能力や態度を育てる。
3) 進路指導に対する保護者の関心と理解を深め、実際的な進路指導を展開する。
(五) 進路指導の重点
1) 進路に関する情報・資料や職業観の育成に役立つ資料の収集活用を計画的に行い卒業学年だけでなく、在学中を通じ、自己の将来の生活設計として自己の進路を考えるよう指導する。
2) 学級指導における進路指導では、各学年とも適切な時間を確保し、効果的な指導の展開をはかる。
3) 進路決定に際しては、生徒の希望を第一に考え、保護者の意見をじゅうぶん反映させながら、学校としての指導を加え、最終的には、生徒自身が選択できる過程を重視して指導する。
(六) 具体的実践事項
1) 進路指導の充実
・年間指導計画の作成に努める。
・学年経営、学級経営、生徒指導等他領城との関連を密にする。
・計画的段階的指導に努める。
・学級における計画的指導
・生徒理解のための情報・資料の収集と活用
・諸検査、調査の企画、実施、分析、活用
2) 適切な進路相談と観察指導
・進路相談の計画的実施
・保護者、生徒の啓もう
・三者懇談の計画的実施
・学校説明会の実施
・PTA教養講座の実施
3) 追指導の充実
(七) 進路指導計画(表1参照)
(八) 進路指導系統図(図1参照)
三、実践内容
(一) 授業実践
進路指導の核ともいえるのは学級指導における進路指導である。学級指導の時間の質的な充実が進路指導を大きく左右するものと考える。そのために、学級指導における進路指導の内容は、生徒にとって切実感があり、魅力あるものとして、その指導の充実を図ることがたいせつであり、一人一人の生徒が、進路指導の時間を、自分の進路問題を解沢するために重要な時間であることを自覚させ、できるだけ、生きた情報・資料の活用をはかりながら、さらに、どのような筋道をたてて授業を展開すれば、ねらいが達成されるか、その過程も明確にして教師相互が授業実践に努めている。
(二) 進路相談と観察指導
1) 進路相談の基本的な考え方
進路相談は、生徒が進路の計画や選択や将来の生活における自己実現がより確実に達成できるように、その可能性を高める援助活動で、「進路への関心を高め」「進路の計画をたてさせ」「進路選択の能力を伸長させる」という前提のもとに
・進路相談は、調査、検査、観察による資料を活用した総合活動である。
・具体的に進めながらも、内面的、流動的、発展的なものである。
・集団場面における指導と相互補充する関係にあり、集団場面での指導の充実との関連がたいせつである。
というとらえかたをしている。
2) とりくみの姿勢
・自然な態度で快く迎える。
・気軽なふん囲気で話させる。
・親しみやすい言葉や、わかりやすい言葉を用いる。
・親近感をいっそう深めるよう配慮する。
・自然に問題の核心に触れる。
・生徒の話しにじゅうぶん耳を傾けながら、その内面をより深く理解する。
・必要によって、教師の考えも、ひとつの意見として適切に話す。
・生徒の質問等には、必要によって資料を示しながら適切に答える。
・生徒自身が、問題等に対する自己決定をするのにふさわしい相談となるよう配慮する。
3) 相談の種別
・呼出相談
・自主相談
・定期相談
・委託相談
・随時相談
4) 進路相談の組織図(図3参照)
5) 観察指導の実施
観察指導は、生徒一人一人を系統的には握し、分析し、個性の伸長をはかると同時に、自己実現への変容をさせる指導として、学校の教育活動の全事態を基礎にして、計画的・組織的・継続的な実施を試みている。さらに、観
表1 進路指導計画
区分 1年 2年 3年 4 ・進路と生活設 5 ・進路希望と個別調査 6 ・勉学の目的 ・資格のいる職業
・高校の内容を知る7 ・人と個性 ・勉学の機会と制度 ・適切な進路選択 8 ・2学期の出発 9 ・自分の特色と進路 ・進路について考える ・進路先の調査 10 ・相談の必要 ・はたらくことの意義 ・余暇の利用 11 ・私たちの将来
・進路計画の必要・いろいろな職業
・進路の調査・進路の選択
・各種学校の説明12 ・はたらきながら学ぶ ・就職
・進学の準備1 ・10年後のわたくし ・進路計画と相談 ・高校出願の手続き
・入試にそなえて2 ・進路計画をたてよう ・先輩の足跡 ・進路と将来の生活 3 ・先輩の進路