教育福島0043号(1979年(S54)08月)-032page

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わがまちのしゃかいきょういく

 

婦人ボランティア活動

 

田島町教育委員会

 

一、 はじめに

 

田島町は福島県の南西、栃木県境に位置し、昔から東北と関東とを結ぶ重要な位置を占めていた。面積は三百五十一・九平方キロメートル、そのうち山地が八十パーセントを上回り、農林業を主とした町である。

現在、町の状況は、世帯数四千百五十戸、人口一万五千余名である。急激な経済発展は、この田島町からも大都市企業への労働力の流出が目立ち、過疎化現象が著しくなった。その対策として、企業誘致や自然利用の観光開発など農工一体の町づくりを目指している。

 

二、 田島町における婦人の生活実態

 

企業誘致により町に建設された十八の工場には約七百名の婦人が働いている。朝夕は農業と家事、昼間は工場勤めという忙しい婦人の生活は、ともすると目先のことばかりに気をとられ、人間としての生き方を真剣に考えることを忘れがちである。そこで、自分たちの住んでいる家や町を見直し、住みよくするためにみんなで助け合い、力を合わせていくような婦人の意識づくりの必要を感じ、そのため、婦人学級の充実や活発な婦人団体活動が要求されている。

 

老人学級の給食準備完了、まずひと休み(給食ボランティア)

老人学級の給食準備完了、まずひと休み(給食ボランティア)

 

三、 ボランティア学級の開設

 

昭和四十七年に実施した町内婦人に対する生活実態調査によると、一日の生活の中に時間的に余裕のあることが認められた。特に、五十歳から六十歳台では、調査対象者の八十三パーセン卜に余裕があり、昼間に多くの自由時間を持っていることが認められた。

さらに、社会活動を実際に行い、これに生きがいを見いだしている人が四十パーセントおり、そのような活動を積極的に推進すべきであると考えている人が六十パーセントを越えている。そこで、まず老人会に入る前の中年婦人を対象として昭和四十八年よりボランティア活動を開設した。

それから七年、学級生たちはようやくボランティア活動の意義を理解し、自分たちの力で婦人として必要な実践活動に取り組むようになった。

 

四、 りんどう学級の概況

 

(一) 目的

婦人として必要な教養を身につけるとともに、その生きがいをボランティア活動に求め、グループ実践活動を通じて社会参加に努める。

(二) 対象者

田島町に在住する一般婦人を対象とし、前年度までは五十歳以上を原則としてきた。しかし、今年度から仲間を広め、後継者を養成する考えから年齢を問わないことにした。(現在、学級生四十名)

(三) 学習活動

ボランティアの基礎学習とボランティア活動上、必要な専門学習との両面を取り入れている。

(四) 実践活動

1、 全員で行う活動

文化施設ボランティア

1) 公民館図書室の購入図書整理

年間約百万円の図書を購入するので、図書ラベルはり・押印・図書カード袋はり等を行う。

2) 公民館清掃美化

町民の文化的集会場である中央公民館の清掃美化を年二回程度実施する。

3) 奥会津歴史民俗資料館の清掃

同館内外の清掃整理及び資料館内の展示民具の手入れを行う。

4) 菱つくり

昔から伝わっている菱を作り町内にある仏堂や観音堂に奉納する。

 

 

 


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