教育福島0043号(1979年(S54)08月)-038page
教育センターから
学習指導法の改善をめざして
54年度
−算数・数学講座−
一、 はじめに
算数・数学講座は、算数・数学の専門的内容及び教材研究、学習指導法、指導上の諸問題などに関する研修を深め、指導力を高めることを目的としている。
今年度、小・中・高とも講座数は昨年と変わらないが、小学校算数は、一次研修と二次研修の二講座、中学校数学講座も同様に二講座、高等学校数学講座は、二次研修の一講座となっている。
一次研修は、教職経験の短い先生がたを、二次研修は教職経験の長い先生がたを対象にしたものである。また、講座を編成するに当たっては、次のようなことを配慮した。
(1) 学習指導要領改訂にともなう教材の研究をする。
(2) 算数・数学の学習指導法の改善をはかる。
(3) 算数・数学指導上の諸問題の解決をはかる。
(4) 講義ばかりでなく、協議、演習実習を組み入れる。
(5) 講義内容は、具体的で直接学習指導に役立つものとする。
二、小学校算数講座
一次研修では、算数の教材研究並びに基本的な指導法の研修を深め、指導力を高めることをねらいとし、三泊四日の研修を有効に活用できるよう講座の日程・内容を表1のように計画している。
第一日の午後は、教育相談の内容を入れ、あとの三日間は算数の内容とした。講義の内容は、新小学校学習指導要領(算数)で話題となっている基礎的・基本的内容、教材研究の基礎理論、指導案作成法、教授過程の改善、そして、第三日午後のTP作成と第四日の講義には、研修者が主体的に活動できるよう実習、協議の時間を設けた。
二次研修では、算数の教材内容とその指導法及び指導上の諸問題に関する研修を深め、指導力を高めることをねらいとしている。講座の日程・内容は表2のように計画した。第一日、第四日は、一次研修と同内容なので省略する。
講義の主な内容は、新小学校学習指導要領(算数)での基礎的・基本的内容について、学習指導法の改善にかかわる内容として、学習成立のための条件、算数教育の課題、算数指導上の諸問題、教材の特性に応じたOHPの活用、算数のつまずきの原因と効果的指導法などである。一次研修同様に、実習、協議、演習の時間を多くとるよう配慮した。一次研修は、基礎的な内容を、二次研修は、幅広い内容ということで議義内容を定めている。
三、 中学校数学講座
一次研修では、数学の教材研究並びに基本的な指導法について研修を深め、指導力を高めることをねらいとし、表3のような講座の日程・内容を計画している。
中学校数学講座では、小学校算数講座のように、教育相談に関する講義はなくて、すべて数学に関する講義、演習になっている。第一日は、新中学校学習指導要領(数学)での、基礎的・基本的内容について解明する。第二日午前は、学習指導法改善の面から、新しい指導法と指導形態、能力や態度の評価に焦点をあてた講義内容とした。
第二日の午後は、簡単なプログラム
表1
区分 午前 午後 第1日 講義・演習
学習指導における人間的資質第2日 講義
算数の基礎的・基本的内容講義
授業の組み立てと教師の役割第3日 講義算
数学習指導の改善を求めて講義
実習算数指導における0HPの活用第4日 講義・協議
算数のつまずきとその指導
表2
区分 午前 午後 第2日 講義
算数の基礎的・基本的内容講義
学習意欲をもたせる算数の折導法第3日 講義
協議新小学校学習指導要領実施にあたって講義
実習教材の特性に応じたOHPの活用