教育福島0044号(1979年(S54)09月)-008page

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二、学校経営

 

(一) 学校教育目標の設定と具現

 

1 学校教育目標の設定(検討)

各学校では、自校の教育目標及び教育方針を設定している。これは、教育課程の編成のためというよりは、より広い学校経営あるいは学校生活全体の指標的な意味で設定されている場合が多い。

しかし、教育課程は学校における教育計画の中心的なものであるから、その中にこそ色濃く達成する道すじが明らかにされていなければならない。

公教育では法規によって教育の目的や目標が定められているので、各学校では、これらの実現を目指して教育を行い、その調和的達成に努めなければならないことは当然であるが、国で定めた目的や目標は、きわめて一般的、抽象的であるので、学校ではその実態に即した強調点や留意点などを浮き彫りにした具体的な学校の教育目標を設定する必要が生じてくる。

学校教育目標の意義や性格から学校教育目標の具備すべき条件として、第一に法令の示す目的、目標及び学習指導要領に示す各教科等の目標の達成を前提としたものであること。第二に地域や学校の実情及び児童生徒の実態を考慮したものであること。第三に校長をはじめとして教師の考えが反映されたものであることが考えられる。

なお、学校の教育目標は実践化に結びつかなければ意味がないので、具体的実践的であり、実現の見通しのあるものであること。

新教育課程の実施の機会に学校においては、改めて自校の教育目標の検討がなされると思うが、その際には、今回の改訂のねらいである人間性豊かな児童生徒の育成を図る上で今後特に強調されなければならないものとして次の事項についてもじゅうぶん考慮されたい。

1) みずから考える力を養い、創造的な知性と技能を育てること。

2) 強じんな意志力を養い、自律的な精神を育てること。

3) 自然愛や人間愛をたいせつにする豊かな情操を培うこと。

4) 正しい勤労観を培うこと。

5) 社会連帯意識や奉仕の精神に基づく実践的社会性を培うこと。

6) 健康でたくましい身体の鍛練に努めること。

7) 家族、郷土、祖国を愛するとともに国際社会の中で信頼と尊敬を得る日本人を育成すること。

 

2 学校教育目標の具現

学校における各教科等の指導は、学習指導要領に定められている各教科等の目標の達成を前提として進められる。

したがって、各学校においては、学習指導要領に定められている各教科等の目標や内容をじゅうぶん検討した上で、学校の教育目標を実際に指導する中でどう具現化するかを検討しなければならない。つまり、各教科等の目標のどの点を強調するか、どの内容に重点を置くか、付け加える内容はないか時間の配当は適切であるかなどについて検討し、指導計画に具体的に反映するようにすることが肝要である。

 

3 学校教育目標の理解

教職員、児童生徒及び保護者に学校の教育目標の理解の徹底を図ること。

学校の教育目標が日常の全教育活動を通じて達成されるためには、教職員はもとより児童生徒及び保護者の理解が必要である。したがって、教職員の共通理解を徹底する方途を講じたり、学校の教育目標を児童生徒の目あてとなるわかりやすい表現に直して児童生徒に徹底を図ったり、保護者に広報したり、諸会合などのいろいろな機会を利用して働きかけたりするなどのくふうも必要であろう。

 

(二)学校経営の機能

 

1 学校経営の意義

学校経営は、経営組織体としての学校の維持と発展を図り、学校教育本来の目的を能率的効果的に達成させるための諸過程の統括作用であると定義することができる。

 

2 経営と管理

経営は、主観的、理想的観点に立って教育活動に加えられる配慮であり、管理は、客観的、法規的観点に立って教育の条件ないし状態を維持しようとする立場であって、学校という組織活動の中には創造的機能と管理的機能とがおのずから含まれるものである。

学校経営は、学校の目標達成のための計画−決定−実行−評価という経営サイクルをとおして絶えず組織の改善を図る活動ということができる。

その際、特に計画や決定の過程においては創造的機能が重視され、これを組織目的にそって、しかも制度的なものとして実現していく過程で管理作用が営なまれるものである。

 

3 学校管理の領域

学校管理を学校経営の内在的機能としてみるときその領域と対象は次のようになる。

 

4 学校教育の機能

 

4 学校教育の機能

学校経営の機能を計画の立案とその

 

 

 


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