教育福島0044号(1979年(S54)09月)-009page
執行の二つに大きくわけて考えることができる。
計画立案は、一般に、比較的、長期的総合的なものと、当面の個別問題の解決のものとに分けられる。
計画立案する際は、教育委員会としての学校教育の方針やこれに基づく施設計画、人事計画、財務計画、その他の計画などと密接な関連を保ちながら自校の具体的な学校経営計画を策定しなければならない。また、計画を決定する過程においてすべての教職員の意志をじゅうぶん反映させて、計画立案の機能を高める必要がある。
組織をつくることについては、教職員を確保し、研修を行うほか、教育活動の効果を高める諸条件の整備を行い、教職員を適切に配置し、仕事の内容特に権限と責任を明確にした組織体制を確立することがたいせつである。
学校経営は、指導と管理を両脚にふまえ、一方では指導しつつ、他方では管理統制を加えながら教職員一人一人の創意を生かして進められるべきものである。
学校の経営管理機能の類別
ア 計画機能 イ 組織機能 ウ 指示機能 エ 指導機能 オ 調整機能 カ 報告機能 キ 財務機能
(三) 学校経営の組織
1 組織の必要性
教育の効果を高めるために、限られた教員定数のわく内で、社会や地域住民の要請にこたえる教育にするためには、責任を明確にした組織づくり、相互協力の態勢をつくり、全教師の力が教育目標に向かって最大限に発揮できるよう結集するところに意味がある。
2 組織の基本原則
学校経営を能率的、効果的にすすめるための、校内の組織編成を行う場合の基本原則として、
1) 教育目標を指針として、これによってつらぬかれた組織であること。
教育目標を実現するために中核となるものは、教育課程の編成とこれに基づく教育活動である。したがって、組織はこの指導を能率的、効果的に行なうための諸条件を整えることに主眼がおかれなければならない。
2) 全員参加の原則をたてまえとすること。
学校経営は、全職員の自発的な協力によってこそ大きな効果が期待できる。校務を割り当てられたという印象をなくすようにし、教職員一人一人の能力が最大限に生かされるようにしなければならない。
3) 学校の実情に即したものであること。
4) 地域社会の全体計画の線にそっていること。
5) 簡単にして要をつくし、機能的であること。
単なる図式でなく、運営しやすく柔軟性に富むとともに、機能的であることがたいせつである。
(四) 学校経営と人間関係
経営組織体としての学校の維持と発展を図り、学校教育本来の目的を効果的に達成させるためには、教育諸条件の整備を図らなければならない。
とりわけ、教育活動の主体者である教師相互または、校長と教師等の精神的結合、職員の意欲の問題は、その目的の効果的達成に大きな影響を与えるものである。
1 人間関係の意義
従来、人間関係については、いろいろな理解のしかたがなされてきたようであるが、新しい人間関係は次のように定義づけられている。
○組織ないし集団の成員である個人の行動を
○その欲求、動機、態度というような人間心理の深層にまで立ち入って理解して
○それによって、個人対個人、個人対集団、個人ないし集団組織といったさまざまな社会関係を合理的に調整すること。
人間関係の意義については、以上のように定義づけたが、日本的、家族主義的な発想をもってこれを受けとめようとすると、その正しい理解がゆがめられるので、社会学的立場からこれをとらえる必要がある。
2 学校での人間関係研究の課題
学校における人間関係の重要さは、学校が人間の教育をその主な仕事にしているところだけに、そこには、人間相互の深い理解と愛情に結ばれた人間関係が、教師相互のあいだに、教師と児童生徒のあいだに、児童生徒相互のあいだに、さらに、教師と保護者とのあいだに成立していなければ、到底成果を期待することは困難である。
こうした意味から、学校経営における人間関係のあり方について、少なくとも近代化を志向した学校経営を進めようとするとき、人間関係のあるべきすがたの究明こそは、組織の構成員で