教育福島0044号(1979年(S54)09月)-022page

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られる。

A 1)全員研修、学年別研修

2)領域、教科別研修

B 1)長期研修

2)継続研修

C 1)校内研修

2)校外研修

D 1)共同研修

2)個人研修

E 1)職務としての研修

2)自己研修

など、立場や観点をかえることによっていろいろ種類がでてくるのであるから、この中のどの研修をとっても、他の立場の研修となんらかの形でかかわりをもっている。

ここでは、今後の教育活動に特に重要であり、いっそうの充実を必要とする個人研修、校内研修、授業研究について、実施上、留意すべき点を中心に述べる。

 

(三)個人研修

 

1) 個人研修のねらい

「良く学ぶ者のみが、良く教えることができる」と古来からいわれているように、自己形成に努めている教師の姿は、児童生徒への無言の教育となる。

いわば、主体的な研修は、教師の生命である。

主体的な研修とは、研修者が、研修の意味を自覚し、研修の目的を成就すべく能動的に研修を選択し、自己を洗練していく実践であり、研修者自身が人間として高まるものでなければならない。

このように個人研修は、教職における研修の基盤であり、換言すれば出発点や帰着点でもある。

2) 個人研修の内容

ここでは、教育活動は直接必要な能力に限定してあげる。

ア、児童生徒一人一人の可能性を推測する能カ

イ、教育課程を編成し、実践する能カ

ウ、学校の教育活動を有効に働かす能カ

エ、教育公務員としての職務執行に必要な能力

これらの能力は、有機的に関連しあい、複合しあって教育活動の実践に働き発揮されていくものである。

教職員としての職責は、日々の授業を充実していくことであり、このことをとおして前記の能力、特に、「ア・イ・ウ」の向上、練摩が期待できるのである。

 

(四) 校内研修

 

1) 校内研修のねらい

ア、校内の全教師が協力的、効率的に研修をすすめ、教師としての資質の向上を図る。

イ、組織的、計画的に学校経営の中に位置づけられ、学校全体の教育の質の向上を図る。

ウ、教師の研修意識と意欲に支えられた研修をとおして、教師の、モラールを高め人間関係の充実をめざす。

2) 校内研修の内容

ア、学習指導に関するもの

イ、学校・学年・学級経営に関するもの

ウ、専門的な技能の習得に関するもの

エ、教育観の確立に関するもの

オ、生徒指導に関するもの

3) 研修意欲を高めるための留意点

校内研修をすすめるにあたっては一人一人が研修について意欲的であることが前提であり、校内研修の基調は意欲づくりである。

ア、研修計画をみとおしのある確かなものとする。

イ、研究テーマの設定に当たっては、児童生徒の現実的問題や教師個人のテーマとの関連を考える。

ウ、研修の結果が活用でき、児童生徒に反映されるように研修内容を検討する。

エ、全職員の希望や特長が生かせるような体制をつくり、研修計画等について一人一人が納得し、熟知できるようにする。

オ、研修過程をたいせつにし、共同意識が養われるように配慮する。

カ、全職員で研修計画や運営について反省し、評価する。

キ、研修のためのふん囲気づくりに心がける。

4) 計画立案上の留意点

ア、学校経営計画に研修計画を組み入れる。

イ、全職員の積極的な参加による共通の課題をとらえ、実践に直結する計画を樹立する。

ウ、共同研修の成果を個人が生かす配慮や、対外的な研修の成果を校内研修の場へもちかえるくふうも計画作成の段階で考えておく。

5) 実践上の留意点

ア、各学期ごと、もしくは各回ごとに到達目標を定め、これに対し、実践していく過程でなにが解決され、なにが問題として残ったかを確め、着実に実践する。

イ、研修が理論にかたよりすぎたときは具体的な現実の問題にもどし現実の問題だけでいきづまったときは、原点にもどして検討したり、理論を導入することにより解決の手がかりを得るようにする。

校内研修のねらいは、授業の改善、充実を図るための授業研究にあるともいえる。

 

(五) 授業研究

 

1) 一般的な目標

ア、授業の質を改善し、授業の充実を図る。

イ、教師が主体的に教育実践にとり組む意欲を高める。

学校では、これらの一般的な目標をふまえて具体目標を定め、その中からいくつかの問題点を選び、さらに具体化してすすめることになろう。

2) 事前研究

 

 

 


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