教育福島0044号(1979年(S54)09月)-033page
五、運営のための研修及び活動状況
(1) フィルム選定委員会とフィルム内容の研修
学校教育・社会教育のフィルムの選定方法とフィルム研修とを同時に計画し実施してきた。各施設等に豊富に資料を流すと同時に、施設ごとに購入希望を提出させ、試写選定しフイルムを決定している。
(2) フィルム洗浄及びフィルムタイトル備えつけ作業
学校教育・社会教育のフィルムを常に貸し出しできるよう整備充実を図ってきた。
(3) 十六ミリ映写機操作技術講習会及び映写機の検定
学校教育・社会教育における視聴覚的方法利用の意義の理解と操作技術養成のため年二回・二日間の日程で開催し、免許所持者を養成している。免許所持者については三年に一更新のため講習会を実施している。
それによって、操作技術の再確認とともに新型機器の操作をマスターさせ、操作ミスによる映写機の故障及びフィルム損傷の防止に努めている。また、あわせて映写機を検定し、常に整備している。
六、利用の状況
前出表3で、教材・機材の貸出状況を示したが、貸し出された教材が具体的にどう利用されているか、その一部を紹介する。
(1) 学校教育における利用
管内の小中学校数は三十校である。利用状況を数的に表すと、昭和五十三年度、一校平均八・四回である。しかし、これは管内の平均値である。ライブラリー事務所々在地からの遠近、十六ミリ映写機が学校備品として備えられているが、さらに、専用の視聴覚室が設置されているか等の物理的条件の差異などにより、利用度に学校差がある。また、貸し出されたフィルムから推察すると、社会科・理科・保健体育科・道徳・学級指導等での利用が多い。
写真は管内A小学校での理科学習への視聴覚教材の導入場面である。
この学校では、一題材の指導計画立案の段階で視聴覚機器の導入が企画され、フィルム・その他のソフトウェアの手配がされている。この授業の中では、十六ミリ映写機とOHPが利用されている。題材は「メダカの発生」である。観察に入る段階では、OHPの静止画像で観察のポイントが示され、学習後のまとめと定着場面では十六ミリ映写機の動的画面が提示され学習の効果を高めている。
(2) 社会教育における利用
貸し出し件数でみる限り、社会教育での利用は、学校教育のそれを上回っている。利用場面も多方面にわたっている。
管内町村教育委員会が主催する社会教育関係行事、例えば、高齢者教室や婦人学級等での利用、スポーツ少年団実技指導の補助資料、広域消防署の防災指導、そして、PTA部落懇談会での話題提供のための資料としての利用等、利用場面は多彩である。写真は、去る七月開催された福島県PTA指導者研修会の全体会で行われた「PTA父さん奮戦記」を用いてのフィルムフォーラムの一場面である。スクリーンを通して提供される身近なことがらが出席者の共通の問題として受け取られ熱心な討議がなされた。
七、今後の課題
第一は職員体制の充実である。現在事務局職員は兼任者二名である。専門職員としての専任職員を配置し、利用者へのサービス体制を確立したい。
第二は教材・機材の充実である。利用したいものがいつでも入手できるよう保有率を高め、搬送の円滑化とあいまって利用の拡大を図りたい。
第三は研修の充実である。共同研修の場を豊富に設定し、教育関係者がじゅうぶん利用できるように努めたい。
フィルム洗浄及びフィルムタイトル備えつけ作業
А小学校の理科学習室場面
フィルムフォーラムの一場面