教育福島0045号(1979年(S54)10月)-014page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

特集

 

旅を行くあなたの心

西の空にしずんでいく夕日は

残される私の心

無情の馬でさえが別れをおしみ

悲しそうに鳴いています

手をふって別れましょう

この土地で

 

四、おわりに

 

研究授業は、第七時日、「除夜作」(高適)、「送元二使安西」(王維)の二詩を教材として実施した。結果は必ずしも満足できるものではなかった。ノートする時間を要したばかりか、私自身補説したいことがありすぎて、発表者聞き手、教授者と三者うまくかみ合わないまま一時間を終えたのである。緊張感もあった。ボイラー試運転ではいった暖房で室内もめっぽう暑かった。

しかし、それはあきらめよう。

目標は、高校入学後初めての漢文班学習をとおして、生徒みずからの力で調べ、理解することの充実感を知り、漢文、中国文化への親しみと興味を培うことにあったのだから。後しばらくして、暗唱している好きな漢詩を一つクラス全員に書かせたら、班発表の詩を書いたものがやはり多かった。その中でも研究発表当日の二詩、「送元二使安西」を七名が、「除夜作」を八名が選んでいたのは、緊張していたぶん印象深く残ったのだろうか。

 

数学

 

くふうし、ねばり強く実践活動を続けている学校の中から二つを紹介する。 width="83" height="90">

 

学習は、生徒一人一人により行われるものであり、教師の指導は、その生徒の学習活動を援助するものであることはいうまでもない。毎日の学習活動の中で、個々の生徒のもつ能力や特性を考慮して指導法をくふうし、ねばり強く実践活動を続けている学校の中から二つを紹介する。

 

学習効果を高めるくふうと追跡調査

二本松工業高等学校教諭

本間 正幸

 

一、実践の趣旨

 

高校数学教育における問題点の解決に際しては、生徒の実態をは握した上で、毎日の教材研究を綿密にし、学習指導にくふうをこらさなければならない、

生徒の学習をみると、小・中学校時代に習った計算や考え方がわからず、自分勝手な計算方式を取り入れて間違っている場合が多い。そこで、特に遅進者に対しては、機会を多く与えながら、到達度テストの繰り返しにより法則的な誤りを明らかにし、正しい考え方、計算のしかたができるようにする。さらに、進路意識などの高揚により、目標をもった主体的な学習を身につけさせるための指導が必要となってくる。また、追跡調査を行い、学習指導の反省と追指導の参考資料としてこれを活用する。

 

二、実践内容

 

(一) 学力分析による実態のは握

入試学力検査(学検)と入学時の単元別基礎学力調査の分布と正誤表作成。

(二) 数1の到達度テスト(毎週実施)

原則として、一週目の学習内容を二〜三週目に出題するスパイラル方式テストで、反省は誤答例などを示し、間違いやすいところや発展性のある基本問題を中心に行う。また、四十点未満の者に対しては、翌朝、始業時前に再テストを行う。

(三) 定期考査後の放課後および長期休業中の補講指導

放課後の場合、一か月間(月・水・金)のカリキュラム表を作り、個人カルテとして生徒に持たせる。補講は、基本問題の説明後、三段階に分けた出題をし、すべての合格を目標とする。休業中は、一週間程度の演習の後、到達度テストを行う。不合格者は、さらに二〜三日の個別指導を行う。

(四) 電算機を利用した全校生徒の追跡調査

・出身中と中三の十段階評価

・学力検査の国語・数学・総合の成績と順位

・知能偏差値、性格、クレペリン、スポーツテスト、部活動の調査

・定期考査の換算点一偏差値一による追跡

・回帰直線の回帰係数と不偏分散

(五) その他・実力テスト、就職模擬テストの実施・定期考査などの成績優良者名の発表・すべてのテストに対し、正答と反省文を書いて再提出させる。・スケログラムによる学習動向のは握と教材研究

 

三、考察とまとめ

 

(一) 整数、小数、分数や整式の四則演算など基礎的な段階でつまずいている生徒の実態をは握し、早期に指導をすることができる。

(二) 到達度テストは、同じ内容について繰り返し出題するので効果的である。成績が落ちこむ原因は、各種大会参加や病欠・怠け等によるものでそのたび指導したり、早朝三十分の再テストで追いつけるようにする。また、テストをファイルして反復学習に役立てる。

(三) 放課後の補講は、三十名程度とし

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。