教育福島0045号(1979年(S54)10月)-015page
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特集 学習指導の展開
学習予定を記入した個人カルテ表を作っておく。数学科四人の中から、毎回二〜三人が指導に当たり、ふじゆうぶんな理解を確実にするとともに、自分勝手な計算による誤りに気がっき、正しい方法が理解できるまで説明をする。一次で合格できず、二次、三次と繰り返すことにより合格するものもいる。残ったものは、翌日の昼休みや放課後を利用して、結局、全員が全課程を修了した。
(四) 電算機(OKITAC−4300)により、入学時から定期考査の成績を偏差値(ただし、標準偏差が十五)に換算して、追跡調査し、数学科ばかりでなく、HRTなどの教育相談にも利用している。
(五) 本校の九割の生徒は就職希望なので、入学時より進路意識を強く持たせながら学習を進めることにより、その効果をあげることができる。現一年でも、補講を受けたものの中から、こうした指導により大幅な学習成績の伸びを示しているものがいる。
また、定期考査のスケログラムを作ることで、学習にむらのある生徒が見つかったり、正答率が期待と食い違ったり、クラスによって正答率が異なる問題が見つかるなど、教材研究、学習指導にたいへん参考になっている。
個別化を図った学習指導
田村高等学校 数 学 科
一、はじめに
高校進学率の上昇、学区や学級数の変化に伴い、生徒の実態に大きな変容がみられるようになったことを契機によくわかる授業を展開するため、学習の到達目標の設定と授業のあり方、一人一人の生徒の活躍場面の与え方、意欲的な学習の促進と学習の習慣化等について、教師全員でくふうし、本校生に最も適した指導法を見いだそうと努力してきた。
二、授業と課題学習の関連(流れ図1)
授業と課題学習の関連(流れ図1)
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1 定着度を考慮した学習プリントの個別化
(1) 補充プリント学習→低学力者に対し、個別指導の徹底を図る。
(2) 宿題プリント学習→家庭学習を充実させ、その習慣化を図る。
(3) 発展プリント学習→高学力者に対し、発展的学習の促進を図る。
2 課題のねらいの明確化とその分類
(1) 導入的 (2) 予習的 (3) ドリル的 (4) 復習的 (5) 発展的 の五種類に分けこれら(1)〜(5)を組み合わせ、学習の進度に応じて出題の内容、分量、程度を考慮して与える。
3 課題プリントとその指導および処理方法
(1) 個別指導→補充プリント学習者は、一対一による添削と演習の個人指導とする。基本事項の定着を図ることを目的とする。
(2) 採点・添削指導→宿題プリントは、採点をし、クラス全体の理解度、個々の定着度を確認する。
次時の全体指導に生かすことを目的とする。
3 添削・課外指導→発展プリントの添削と重要事項の講義とする。
三、授業の構造(流れ図2)
授業は、いっせい指導により進めるが、生徒が主体的に取り組む問題意識や学習意欲を高めるため、一人一人の学習活動の位置づけを明確にしておく。
1 前時の反省
宿題のプリントの処理などをとおして、前時の反省をする。一人一人の理解度、定着度を確認し、次時の授業に対するレディネスをは握する。
2 指導案の作成
(1) 指導内容の精選 (2) 補充プリント (3) 宿題プリント (4) 発問内容と発問対象生徒の決定 (5) ドリル的演習問題の決定 (6) 板書生徒の決定 (7) 生徒の活動の場の設定 などを担当者間で検討する。また、導入的、ドリル的、復習的なプリントをそれぞれ指導内容に合わせて作成しておく。
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