教育福島0045号(1979年(S54)10月)-037page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

しかし、地域別にみますと旧村部は、市立図書館に遠いため、その利用は、極めて少ないことがわかります。

図書館利用者の約七十%が三キロメートル以内に住む人々であり、市外からの利用者は、主に市内高校通学生であります。昭和五十三年度から幼児登録を始めましたが、百十一人の登録があり好評です。

入館者についてみますと、開館当初よりは平均で四十八人のびており最高三百七十三人の日がありました。土曜日の利用が比較的多く一般利用者をみますと主婦の利用が目立って増加しており、特に、母と幼児、家族ぐるみの利用は、日曜日に多くみられます。

館外貸し出しは、当初八千九百五十五冊でしたが、現在は、延べ三万七千五百七十六冊と増加しています。

貸し出し冊数の六十七%は小・中学生であり分類別に貸し出しの多いのは文学六十一%、自然科学八%、歴史地理七%、芸術七%となっています。

 

四、市民の図書館をめざして

 

過去五年間の状況をかえりみて、今後、次のことを目標として市立図書館活動の充実を期しています。

(1) 図書館資料の充実整備

幼児から老人まで巾ひろい年令層の人々にサービスするため、あらゆる資料を収集し整理していなければなりません。

いかにして必要な資料を選択収集するかが第一の重要な仕事です。今後、目標達成に向って年間増加冊数三千冊を予定しています。

(2) 全域サービスの実現

利用者は、三キロメートル以内の市民が多数を占めている現況から今後は、市全域になんらかの方法でサービスするよう努力しなければなりません。当面、各公民館図書室に図書を委託しサービスしてまいります。将来、分館を設置する計画であり、また、市全域にサービスポイントを設けて行うブックモビルについては、昭和五十六年度以降に実現を期しています。

(3) 児童へのサービス強化

地域の人々とともに子供への責任を果たすため図書による児童サービスを積極的に行ってまいります。小学生以下の利用状況が、三十九%となっている現況から今後の目標として全蔵書中二十%の児童図書の達成を期しています。なお、児童専任者の配置によりサービスを強化していく計画です。

(4) レファレンスサービスの充実

参考図書はじめ各種資料や情報の収集、整理、保存につとめ市民のいろいろな調査相談に応ずることができるよう整備し、今後、専任者の配置によりサービスの充実につとめます。

またたくまに五年がすぎました。新設図書館が、ようやく一人前になり歩みはじめております。これも県内図書館関係のみなさまの御指導によるものであり、また、市民の御協力によるものと感謝いたしております。特に、一万二百五十六冊に及ぶ寄贈は、全蔵書中の四十%をこえており大きな力となりました。

これから限られた図書館費の中で地味ながら一歩一歩実績をつみかさね市民の図書館にふさわしく内容の充実とサービスの向上に努めていきたいと願っております。

 

貸し出しカウンター

貸し出しカウンター

一般閲覧室

一般閲覧室

こども読書室

こども読書室

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。