教育福島0045号(1979年(S54)10月)-039page
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の理解をいっそう深める。
○ 虫かご等の製作活動をとおし、創造力、根気強さ、協調性を養う。
○ 虫送りの行事をとおし、うるおいのある情感にふれさせるとともに、伝統行事の伝承運動に参加させる。
(二) 活動の概要
活動の概要は、表2のとおりである。
表2 「虫送り行事」の活動概要
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活動は、班ごとの合議・協同作業を中心に、児童と教師の合作活動で展開をすることにした。
計画作りの段階では、各自意見を交換し合い、自分たちの虫かご作りのプランを練り上げていた。
製作の段階に入り、材料集めでは、学校周辺の山の中、川岸を駆け回る。
虫かご作りでは、設計図をもとに、のこ引き、くぎ打ちなど、それぞれが自分の経験や得意をいかし、助け合い、失敗してはやりなおしをしながら、真剣に仕事に取り組んでいる姿を、随所にみることができたことはうれしい。また、予定どおり作業が進まず、下校時直前まで、あるいは休み時間を利用して、協同作業をしている班活動も、しばしばみることができた。
最終段階としての「虫送りの行列」は、全校児童によって、学校近くの五部落を巡って行われた。七月の空の下、出穂間近なたんぼ道を、部落民の声援を受けながら、大旗をなびかせ、器楽合奏のあとに、「稲の虫送れよ。かぼちゃの虫送れよ…。」の大合唱を響かせ、夏の草花で飾られ害虫の納められた虫かご四つ。小旗振る一〜三年生。児童たちの顔には、一つの仕事を協同で作り上げた興奮と満足感がいっぱい。ここに、この活動の意義を実感として受け止めることができた。
行事は、校区内を流れる遅沢に、木の葉にくるんだ虫を流し、残務を整理し、反省して終わった。
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虫送りの行列
(三) 反省
反省は、全員で三項目について出してもらい、集約プリントして各人に配布し、来年度への参考資料とした。
「反省」の中から
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七、実践をかえりみて
一学期間という短期間、しかもはじめての児童と教師の合作活動であったが、次の点が児童、教師の言動にみられ、また、問題点もとらえられている。
(一) 児童のすがた
○ 他人の話をよく聞いて、積極的に参加する。
○ 全体の中で、自分の仕事や役割りを自覚するようになる。
○ 問題解決、作業完結の時に、喜びの声を出す。
○ 他人の苦しみ困っているとき、「助けます。」と素直に出られるようになる。
(二) 教師のすがた
○ 今までの授業の中では、得ることのできなかった児童の得意能力や個性を数多く発見している。
○ 右の理解をもとに、児童に対する指導の手だてを、教科指導や生徒指導にいかすようになる。
(三) 今後の問題点
○ 主題のねらいにせまる諸活動の精選と活動過程の組み立て方
○ 諸活動の指導のために、各教師の諸能力をいかす指導組織のあり方
○ 診断・評価のし方などの問題点がとらえられている。これらの問題点を、「創作と遊び」を取り上げた理由を再確認しながら究明し、ねらい達成のために全教職員いっそうの努力を積み重ねていきたい。
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