教育福島0045号(1979年(S54)10月)-041page

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て研修しました。

その中で、食物領域の「加工食品に使用されている着色料の検出」の結果を学校に持ち帰り、一、二年生での食物の授業や、これまでの保健の授業の「健康な生活設計と栄養」の単元にも関連づけて利用しました。

生徒たちは、毛糸に鮮やかに染色された加工食品中の着色料を見て、驚きの声をあげておりました。これらを通じて、他の食品添加物についても関心を示し、食品の選択にあたっては、食品の品質表示をよく確めることのたいせつさを話し合いました。

機械の実習では、板カムを作りました。これは二年生の「家庭機械」の単元で、とくに機械の構造の理解に弱い女子生徒の指導に役立ちました。回転運動から往復運動へ変化していく過程なかでもミシンの上軸の回転運動がどのようにして針棒の往復運動に変化してゆくのか、カットミシンを観察しただけではわからなかったものが、一部とりだすことによって理解させることができました。

このほかにも教育センターでの研修は、自分の頭と体にきざみ込まれ、自信を持って授業に、創意くふうをこらしてのぞむことができるようになり、すばらしい研修でした。

 

◆技術・家庭講座(男子)

石川町立石川中学校

教諭 大内哲二

 

早速講座で製作した電源波形観察装置を利用し、視覚に訴えることで興味を持たせる授業を考え実践してみた。

三年電気教材の「低周波増幅回路の製作」の電源回路のしくみとはたらきの導入段階で、左図の装置を使用しての実践である。

 

ッチ一つでテレビカメラに写すことができ、いっせい指導のとき効果的である。

 

掲示用波形観察装置は交流が直流になるようすをスイッチ一つでテレビカメラに写すことができ、いっせい指導のとき効果的である。

また、波形が変化するなど、視覚に訴えるため、生徒はかなり興味をもち導入段階で使用する教具として最適と思われる。

この装置で作れる波形は、五ボルト十一ボルト交流波形、全波、半波整流波形、平滑作用直流などである。観察教具としてすぐれているだけに技術・家庭科にはぜひ必要な教具である。

 

◆技術・家庭講座(男子)

岩代町立小浜中学校

教諭 須貝啓二

 

新指導要領に電気二の指導事項「電源回路と増幅回路の仕組みを知ること」という一項がある。もちろん、増幅装置に必要な電源として、乾電池など使用するときは、交流から直流に変換する電源回路の学習は、軽く扱うようになっている。そうした場合、増幅回路の学習で、増幅の段階を二段程度にして題材を選定したとき、ダイオードの学習は、実質的に薄れる傾向が生じる、

電気学習の中で、トランジスタとともに重要な内容になっているダイオードの学習は、このような程度であってはならないと考える。したがって学習の中で重点的に取り扱うことは極めてたいせつである。

増幅回路の電源として、乾電池を使用するとしても、百ボルトの交流電源から変圧器、整流回路、平滑回路で構成されている電源回路を学習させ、その中でダイオードやコンデンサなどが、いかなる形で使われているかを知らせ、さらに視覚をとおして定着させることがたいせつかと考える。この考えにたって講座で作製した整流・平滑波形観察装置は、新指導要領の学習にも対応できる教具であり、特に参考になった。

ダイオードそれ自体の学習では、順方向や逆方向に電圧を加え、回路計で導通の有無を調べダイオードの働きを理解させる。そのあと、ダイオードを使った電源装置のしくみと働きの学習でこの装置を活用した。

さらに、学習の定着をはかるために、半波整流から全波回路への切り換えによる波形の違いや、平滑回路のコンデンサの容量を変えたとき、平滑波形がどう変化するか、オシロスコープを使って視覚的にとらえさせるときにも活用した。

これらの学習は非常に効果的な密度の高い学習であった。今後も講座で習得した知識、技能を生かし授業の充実を図っていきたい。

 

終わりに

 

家庭、技術・家庭科では、生活と技術のかかわりあいを正しく理解し、生活の見方や、考え方、さらには行動の仕方を、技術の習得を通して身につけさせることに基本的なねらいがある。

本講座においても、指導者の知的技能水準の向上と、研修の成果が、直接間接に授業充実に機能することの両面にねらいをおいている。

その意味で、この講座が、諸先生がたの手助けに、少しでもなれば幸いである。

 

九月号「生徒指導の充実強化をめざして」記事中、三十八ページ表1と表2の内容が入れ違っていましたので訂正申します。

 

 

 


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