教育福島0045号(1979年(S54)10月)-044page

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福島の文化財

 

県指定重要文化財 石造塔婆十六基

 

所在地 郡山市富久山町久保田字山王舘

管理責任者 日吉神社

郡山市久保田の日吉神社参道の傍に十六基の板碑が群在している。

 

郡山市久保田の日吉神社参道の傍に十六基の板碑が群在している。

これは付近にあったものが耕地整理等によりここに集められたものである。中には「正安三辛丑四月」や、「文保二年戌午」等の記銘が刻されたのがある。

多くは頭部を三角形にきり、二条の刻線があって額部がつき出し、その下に大きく種子をきる。年号の記銘があるものは、通例の如く種子の下に年月を刻んでいる。岩質は安山岩質凝灰岩であるため、関東地方の板碑とは異なり、東北型板碑に入る。

本県遺存のこの種供養塔は、鎌倉中期から室町初期までのものが多い。郡山地方はこの種板碑の多い地帯で、富久山町もこの例にもれず数十基が存在しており、本県中世の仏教文化史上注目すべきものである。

 

福島の文化財

 

 

 


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