教育福島0046号(1979年(S54)11月)-017page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

い及び支部積立金を控除し、本部へ送金した。

 

図7 昭和53年度共済組合長期経理状況(福島支部関係)

(二) 昭和五十三年度執行状況(本部)

 

(二) 昭和五十三年度執行状況(本部)

昭和五十三年度に、本部において支給した本県関係の年金給付は、表12のとおり、八十九億四千八百二十九万八千円で、昭和五十二年度に比較して、十八・五パーセントの支出増となった。

年金給付は、このように年々増傾向を示しており、昭和四十九年度に、一人当たり九十五万六千八百円であった退職年金が、五年後の昭和五十三年度においては、一・七八倍の百七十万六千七百万円を示した。

この増加の主な原因は、公務員給与のベース・アップに準じて、毎年実施されている年金の増額改定措置によるところが大きい。

しかし、長期経理の財源である掛金負担金の率には、ベース・アップ分にかかる財源は考慮されておらず、年金給付額の増は、積立金の不足という形で現れ、このままでは将来給付の財源が不足する事態が予想されている。

 

表12 昭和53年度退職年金等支給状況

表12 昭和53年度退職年金等支給状況

 

四、共済年金制度改正の動き

 

昭和五十四年度における共済年金制度改正法案は、第八十七国会ならびに臨時国会において廃案となったが、次期国会に、あらためて原案どおり提出される見込みである。

この法案には、共済年金制度発足以来の大幅な改正が盛り込まれており、共済組合員に重大な影響を与えるものであるが、改正案が提案されるにいたった背景、趣旨及びその大要素は概略次のとおりである。

 

(一) 改正の背景

今回の改正が現れる外的要因としては、急速に進みつつある人口の高齢化及び他の年金制度との間におけるいわゆる官民格差問題等が考えられる。

さらに、内的要因としては、共済年金の財政的脆弱化及び給付水準の維持と後代組合員の負担(掛金、負担金)の均衡等があげられる。

特に、財政的な面においては、現在すでに負担と給付のバランスがくずれており、(当共済組合の不足積立金は約二兆円)これを放置することは、共済制度存続に大きな影響を与え、ひいては後代組合員の負担の急激な増大となり、負担の均衡もそこなわれる結果となることが予想される。

また、昨今、すべての年金制度について、「皆年金下の新年金体系(社会保障制度審議会建議書)ならびに「わが国年金制度の改革の方向」(年金制度基本構想懇談会報告書)等の建議書意見書等が出されており、その内容も現状の年金制度の見直しを求めるものとなっている。

このような状況下におかれた共済年金制度は、出来る限り早い時期に何らかの措置を講ずる必要にせまられ、その措置として、今回の大幅改正案が表面化したと察せられるのである。

なお、以上の背景は予想されるところではあるが、改正事項として、年金受給開始年齢の引き上げならびに年金年齢以前の退職者に支払う減額退職年金の対象を絞り、減額率を大きくしょうとする等、資格条件がきびしくなることが示されており、将来受給者になる組合員にとっては、直接かかわってくる問題である。

したがって、当共済組合支部運営審議会は、本年四月十日、支部長を経て本部理事長に対し改正については慎重を期されるよう要望したところである。

 

(二) 改正案の概要

1 退職年金等の支給開始年齢の引上げ

退職年金及び夫、父母等が受ける遺族年金の支給開始年齢を五十五歳から六十歳に引き上げる。

なお、引き上げに当たっては、必要な経過措置を設ける。

2 減額退職年金の改正

退職年金の支給開始年齢未満で退職した者が、支給開始年齢前から減額退職年金の支給を希望する場合、支給開始年齢と希望する時の年齢の

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。