教育福島0046号(1979年(S54)11月)-029page
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教育事務所
日誌
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−県北−
場と心の交流を求めて
●目や耳が不自由でも一生けんめいやっていたのを見て、わたしも、「やればどんなことでもできる」ということがわかった。 (児童)
●目の見えない人が三人、水のみ場にいたが、「先にのみな」といいながら、お互いにゆずり合っていた。わたしたちとはまるで反対だ。(児童)
●小人数では、果たせ得ないさまざまな経験をさせることができ、本校の子供たちの社会性の芽を伸ばすためにも必要なものはなにかを再認識した。(教師)
●四小の運動会に参加するのだという意識のもとに、練習を積み重ねることができたことも今までにない貴重な経験だった。(教師)
障害をもつ県立盲・ろう学校の子供たちと、福島四小の子供たちの交流事業の一環としてもたれた運動会後の子供たちや、教師の感想である。
本年四月から二か年間、心身障害児交流推進校として、心身障害児と健常児が共同の生活体験を重ね、相互の理解と心の交流を深めようとするこの事業は、子供たちや教師にとって、またそれぞれの保護者にとっても意義のあることである。関係各校の綿密な計画と、保護者への趣旨理解のための啓蒙によって抵抗なく実践されつつあることはすばらしいことである。
交流教育の目的を
(1) 人間性豊かな児童を育てる
(2) 人を尊敬できる児童を育てる
(3) 豊かな社会性を備えた児童を育てる。
とし、これまでにも運動会、水泳教室、水泳大会等を実施し、場と心の交流を深める機会を重ねてきている。
去る九月二十日には、霊山子どもの村で前記三校の交歓会が実施された。
四小三年児童百五十六名、県立盲・ろう学校三年から六年までの児童二十五名の計百八十一名の児童が得たものはなんだったろうか。
「呼びかけ」で行った対面式、八名から十一名で編成した班ごとのオリエンテーリング、遊具を使っての自由遊びなどの日程が楽しく行われた。
交歓会の翌日、盲・ろう学校の子供たちへ送った四小児童の手紙の一部を次に紹介する。
もう学校・ろう学校のみなさんへ
三年四組I・Y(女児)
もう学校のみなさん、お元気ですか。わたしも元気です。対めん式が終わって、オリエンテーリングの時は、とても楽しかったですね。I君は、急な坂道では、とても早かったですね。おどろきました。そして、いっしょうけんめいカードをさがしてくれてどうもありがとう。目が見えなくたって、耳が聞こえなくたって、わたしたちと同じことができることはすばらしいことだと思います。(中略) オリエンテーリングのカードをあわせてみると、「みんな仲よし」という言葉でしたね。その言葉のように、みなさんといつまでも仲よくしたいです。I君とあうのははじめてでしたが、あの日だけで友だちになりましたね。うれしいです。(後略)
この子供たちにとって交流を妨げる障壁はない。障害児に対してべつ視する態度はなく、また障害を持つ子供たちも、甘えの態度をみせないきびしさで、お互いを認め合い、出会いをたいせつにしている。この交流を進める過程で人間を尊重する真の教育を推し進めていただいている関係各校の御努力に改めて敬意を表したい。
交流風景
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