教育福島0046号(1979年(S54)11月)-040page

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本県の公共図書館(4)

 

−いわき市の図書館−

 

中央図書館長 松本周司

 

●図書館コ一ナー●

 

●図書館コ一ナー●

 

三十四万の人口と、千二百二十九平方キロメートルの面積を抱えるいわき市には、中央図書館をはじめ内郷、常磐、磐城、勿来の五つの市立図書館がある。このほかに移動図書館「いわき号」が中央図書館に配置されている。

中央図書館は、平の官庁街の一角に位置しているいわき市文化センターの四階、五階にあり、四階は一般閲覧室と事務室に、五階は児童図書館と電動書庫になっている。(移動図書館用書庫は一階)

一般閲覧室には、参考、郷土資料コーナー、新聞、雑誌コーナーがあり、新聞は日刊紙十二種、その他政党新聞等が十九種、雑誌については週刊、月刊等あわせて百六十五種を備えて利用に供している。

内郷図書館は、内郷支所の三階(来年四月完成予定の内郷公民館一階に移転が決定している)に、常磐図書館は常磐公民館二階、磐城図書館は小名浜公民館二階に、勿来図書館は植田公民館三階にそれぞれ併設されている。

職員は中央図書館に九名、内郷四名、常磐、磐城、勿来が各三名づつ計二十二名で、中央を除く四階の館長はいずれも公民館長が兼務し、実質は十八名の職員が配置されている。

開館時間は、いずれの館も月曜から木曜日と、土曜日は午前十時から午後五時まで。金曜日は午後七時までとなっている。日曜日、国民の祝日、年末年始の休日、および毎月の初日を休館日としている。

蔵書数は中央図書館が六万二千、内郷一万九千、常磐一万六千、磐城二万一千、勿来一万四千の合計十三万二千冊で、これらの施設、資料、職員によって市民へのサービスに努めている。貸し出しは一人二冊まで十四日間の期限で、市民および他市町村からいわき市内への通勤、通学者であれば誰でも利用できる。また団体貸し出しとして、一グループ五名以上の登録者があれば、三十冊まで一か月間の貸し出しをしている。

昨年度は五館合計で約三十一万冊の貸し出しがあり、うち約六割が児童の利用である。このことからもうかがえるように、児童に対する奉仕がこれからの図書館運営の上でも重要なポイントであり、力を注がねばならない部門である。

貸し出し業務に関連して図書の予約、リクエストサービスやレファレンスサービス(参考調査業務)も行い、利用者の便宣をはかっている。レファレンスサービスについては、資料探索の案内、日常生活や仕事に関する各種の調査研究の相談援助にあたり、忙しくて図書館を利用できない人のためには、電話や文書による照会にも応じている。移動図書館は図書館から遠く、利用が困難な地域の人たちのために、個人貸し出し駐車場が二十五か所、貸し出し文庫二十三か所それぞれに設けて、月一回巡回サービスを行っているが、市全域をカバーするにはほど遠い。

これらのほかに図書館への関心を高める意味もあって、各種展示会、講習会、座談会等を開催している。

本年度の図書館運営方針は「三十四万市民の生活に役立つ図書館活動を充実する」ということで、

(1)図書館サービス網の拡充

(2)図書館資料の充実

(3)図書館利用の啓蒙強化

の三点を挙げて努力している。

今後、よりいっそう市内図書館間の連携はもちろん、県立図書館、国立国会図書館等との相互貸借制度の活用など、めまぐるしく移り変わる市民の知的要求を保障し、かつそれに応えるための情報資料センターとしての機能を充分発輝できるよう努めたい。

 

昭和53年度利用状況(5館の計)

 

 

 

 


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