教育福島0047号(1979年(S54)12月)-011page
れの障害別の学校があるが、今後は総合的な養護学校の必要性もあるだろうし、教師の専門性もいっそう必要になってくるだろう。また指導に適する施設設備のくふう改善も必要だし、通学方法の再検討なども問題である。
次に、一人一人に応じた教育の問題がある。進歩は遅くとも可能性を信じて、いろいろくふうして指導しているが、今後教材教具、教育内容の与え方を改善したり、早期教育(幼児期)や医療との関係も見直して総合的な教育の場としての養護教育を検討しなければならないのではないか。効果を上げるために学校、医者、施設の連携をたいせつにすることも必要だし、訪問教育児の医療と教育についても真剣に考えなければならないと思う。
三つめは進路指導の問題である。障害児の就業への適応性の指導はたいへんむずかしいので、充実させるためには身障者の雇用について理解を求めてもらうのが先決問題である。また、職業訓練的施設や高等部の設置についても、じゅうぶんな検討をしてほしいと思う。
四つめは、地域社会の啓蒙と交流教育を推進しなければならないと思う。
養護学校の殻に閉じこもらないで他に積極的に働きかけていくことがたいせつだと思っている。教育的諸会合などにも、子供も参加させて理解を得るよう努めている。各地域で障害児教育に対する理解をもつ団体、個人に働きかけて組織をつくっていかなければならないと思っている。
司会
その他みなさんから意見があればお願いします。
一人一人に応じた教育を(我妻氏)
早期入学と在宅訪問
根本
障害児の親は子供を手離して施設にあずけることは心苦しいものがあると思うので、そのためにも早期入学のための啓蒙が必要ではないかと思う。竹内
在宅訪問教育について親が訪問教師に私生活をのぞかれるので訪問をきらう話を現場の先生から聞いたことがある。したがって、このようなことについて、じゅうぶん検討してほしいと思う。
障害児の教育は、根気が要求される仕事である。あわれみでなく、みんなが温かく見守る目を高めるという社会福祉の面も必要だと考えてボランティア活動を推進している。
また、学齢に達して入学した児童であっても、入学以前の訓練を施す必要のある子が多いので、訓練士や医師の養成も必要ではないか。
竹内
養護学校では財源が乏しく、PTAの組織も弱いので施設設備が整っていないところが多い。県当局としては、地方の実態をふまえた教育費の配分支出を考慮して充実を図る必要がある。
“ベッドサイド”での学習指導
高等部・センターの設置を
鈴木
障害児は先天性のものは少ないのに先天性が多いという錯覚をもっているので、地域の理解を図る施策をたてることが必要だと思う。
また、PTAと後援会の育成もたいせつだし、教育の機会均等の立場から各方部に一校ずつの高等部設置を要望する。
桜井
私の方でも学生を養成しているが、障害児教育は隔絶した社会の感じがするため学生たちは、なかなか本質的な考え方が理解できない。
そこで、障害児教育の実態を早いうちに理解できればよいと思って、いろいろくふして指導しているが、さらに本当の意味での理解を深めるためのセ