教育福島0047号(1979年(S54)12月)-015page

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以下本年度の県教育委員会の実施した県民参加の各事業について紹介する。

 

芸術文化の振興

 

一、文化振興基金

 

一昨年の「文化を考える県民会議」からの提言を踏まえ、行政施策として具体化するため昨年「県文化振興会議」を設置し、「文化振興基金」の創設について検討をお願いした。

その結果、「文化を考える県民会議」の提言にもあるように「県民文化の振興は、県民一人一人の創意とくふうに基づく創造的な文化活動の自主的な高まりによって促進されるものであり、すべての県民が進んで文化活動に参加できるような条件整備を進める必要がある」との基本的な考えのもとに県・市町村・民間の出損による財団法人福島県文化振興基金を昭和五十四年五月をめどに創設すべきであるとの報告がなされた。

県では、この報告に基づき、本年四月から設立のための準備に着手し、五月二十九日県、市町村及び民間の各界代表二十四名からなる発起人会を開催設立を決定し、ただちに監督官庁に設立許可申請を行い、本年六月一日付で設立許可指令を受け、財団法人福島県文化振興基金が発足した。

財団法人福島県文化振興基金の概要は、次のとおりである。

(一) 基金の目的

県民の文化活動が自主的に活発に推進されるよう個人または文化団体等の活動を援助・奨励することにより本県文化の振興に寄与する。

(二) 基金の性格

県、市町村及び民間からの出捐による財団法人(民法三十四条)となっている。

(三) 基本財産の規模

当面、設立後満三年経過時において五億円を目標とし、県が二分の一の二億五千万円を、残りの二分の一は、全県を挙げての基金づくりを進める上から市町村(一億円)及び民間(一億五千万円)にも自主的な出捐を求めることになっている。

なお、現在の基本財産額は、県出指金が一億五千万円、民間から一億三千百万円となっており、今後、出捐についてご承諾を得ている市町村からの出指金等を予定すると、初年度の基本財産額三億二千万円に達するものと期待される。

(四) 基金の事業

1)文化活動の成果発表等に対する助成

2)文化財の保護活動に対する助成

3)文化活動に関する顕彰

の三種類の事業を実施しており、助成及び顕彰の対象とする文化活動の分野は、美術、音楽、演劇、文学、舞踊、映画、生活文化、文化財の保護、郷土史誌の九部門となっている。

(五) 助成事業の申請方法

助成事業については、五十四年度は二期に、五十五年度からは三期に分けて、市町村教育委員会を窓口として助成交付申請書を受けつけることとなっている。

 

二、第三十三回県展

 

昨年の出品点数は一千八十八点であったが、本年は若干減少し、五部門で総出品点数は千四十九点であった。

一船公募作品について見ると、公募総数八百六十九点のうち公正な鑑査の結果、五百十二点が陳列されるという厳選になっている。しかし、陳列作品について見れば、特に本年は大作がめだち、しかも、例年以上に充実した作品が多かったことが特色で、まさに、本県美術界の最高の伝統と権威を誇る発表、鑑賞の場となっている。○審査員

日本画部 今井珠泉 松本栄 水戸童

洋画部 青津清喜 佐藤睦郎 鈴木新夫 鈴木亮平 吉井忠 若松光一郎 渡辺良雄

彫塑部 菅野忠良 佐藤義重 佐野文夫

工芸美術部 佐藤潤四郎 鈴木三重子 滝田項一 津田永寿 山内清司

書部 佐藤羊卿 須田此亭 田久奇峰 林泉汀 増田忍石

○会場 福島県文化センター

○会期 六月七日〜十七日

○観覧者 一万六千名

 

三、第三回県展移動展

 

地方にすぐれた芸術文化を紹介することによって、地方特有の文化を高めみずからの文化を創造する力を育てる目的で、昭和四十四年から実施してきた「福島地方巡回展」を昭和五十二年から内容の充実と部門の拡大を図り、「県展移動展」を六会場で開催することとし、県民芸術鑑賞の機会拡充を図

 

第3回県展移動展(塙町)

第3回県展移動展(塙町)

 

 

 


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