教育福島0047号(1979年(S54)12月)-043page

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め、講義内容も両科の領域にまたがりお互いに勉強になったと思う。

永山先生は、現場の建築業界の立場から、企業における建築技術についての話をされたが、教科書に書かれていない貴重な体験やデータは、生徒によいお土産になった。

菅野先生の「信頼生工学」は、確率や故障物理学をもとにした新しい技術で、工業高校にはまだ導入されていないが、業界では不可欠な技術だという。これを機会に勉強したいと思う。

また、先生の講義は、にぎやかでスピードがあり迫力があった。こわいろや抑揚までつかっての巧みな話術。難解な理論や数式のあい間に、香具師の口上が入るかと思うと落語、しゃれ、突然、われわれの座席まで歩み寄っての発問の連続。われわれは爆笑から緊張、そして恐怖?と、まったく先生のペースから逃れられない。わたしは、このすさまじいまでのテクニックの、ごくわずかでもよいから欲しいと思った。

菅野先生の後を引きついだ福田先生の講義は、そういう意味で安心してきかれる講義であった。詳細なデータや資料により「道路問題」は門外漢でもよくわかった。

最終日は福島大学建設現場の見学であった。すでに竣工をみた汚染処理装置、特別教室、地下配線室等の最新施設、目下建設中の学生寮等、ふだんは接することのできないもので、たいへん参考になった。

 

三、産業教育実技講座 (工業)

 

三、産業教育実技講座 (工業)

 

三、産業教育実技講座 (工業)

○会場 大熊町・福島県原子力センター

○講師 東京大学講師 工博 鈴木穎二

東北大学教授 理博 鈴木進

福島医大助教授 医博 木田利之

原子力センター主査 工博 高倉 吉久

○見学先 福島第一・第二原子力発電所

 

◆ 会津工業高等学校教諭 生亀照夫講義の内容はユニークで密度の濃いものであった。豊富な資料と、先生がたの永年の研究体験からくる、そしゃくされた説明は、よく理解できた。

実習はアイソトープ測定の九テーマで、未知な分野であったが、われわれの能力にあった適切な内容だったと周り。

講座をとおして痛感させられたことは原子力エネルギーこそ石油にかわる重要な資源であるということと、学術研究や医学・農学・工学など、あらゆる分野でアイソトープや放射線が不可欠な役目を果たしているという認識である。

三泊四日の短い研修であったが、有益な収穫を得たので、「工業基礎」などの教育の場に生かしたいと思う。

 

◆ 川俣高等学校教諭 和田勇夫

 

 

◆ 川俣高等学校教諭 和田勇夫

今回の講座は、大熊町の原子力センターを会場とし、見晴らしのよい海辺の旅館に宿泊しての快適な講座であった。

講義のなかで関心をもったのは、放射線の医療への利用で、脳・脊椎骨、臓器等の腫瘍診断の際、造影済として数十種のアイソトープが使用されていることで、癌の早期発見、健康維持のための研究に、放射線の恩恵がどれほど大きいものであるかを痛感した。

また、原子力発電所を見学し、我が国で有数の大電源地帯が福島県に着々誕生しつつあることに誇りと感動を覚えた。

なんといっても、当代一流の講師陣による研修、全国でも屈指の各種分析、検出装置をようする原子力センター、ち密な講座企画、そして夕食時には講師の鈴木進先生とひざを交えての懇談等、有意義な研修であった。

 

 

 


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