教育福島0047号(1979年(S54)12月)-044page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

煌゙校長)での実施状況を紹介し、運営の参考に供したい。(五十二年から実施)

 

国際児童年にちなみ、“子供の時から読書の習慣を”という趣旨のもとに今年は地域文庫、小学校、公民館等二十八か所に文庫を配本した。安達郡白沢村立糠沢小学校(大内巌校長)での実施状況を紹介し、運営の参考に供したい。(五十二年から実施)

〈運用方法と家庭へのPR〉

学校だより特集として文庫設置の目的、運用方法等わかりやすく説明して父兄への呼びかけを行っている。本は正面玄関の壁面に配架して、児童がいつでも利用できるように、クラス担任でない若い先生が利用指導に当たっている。感想文等は児童が自分から書く場合は別として、とにかく親と子がいっしょに読んでほしい。そしてその実践の中から読書のしかたを見い出していこうという方法をとっている。

〈利用状況…アンケート調査から〉

(1) 四月から十二月の間に何回借りたかは1図のとおりで、五十二年度に較べ五十三年はかなり多くなっている。三回以上の利用者は前年度の四十七パーセントから七十パーセントとなり、九回以上が二十五パーセントと高くなり借りたことがないのは六パーセントとほとんどの児童が利用している。さらに学年別にみると低学年の利用が高く中学年、高学年の順となっているとのこと。身近に本を置き、いつでも相談に応じる担当者が必要なことは、このことからもはっきりうかがわれる。

 

〈1図〉

いないがこれもある程度習慣づけたいと学校側は今後の指導課題としている。

(2) 借りた本は父や母といっしょに読むかに対しては、2、3図のようにいつもいっしょに読むは非常に少ないが、ときどきいっしょに読むをあわせると、五十二年五十一パーセント、五十三年六十四パーセントと、親がこの文庫活動に理解を示し、忙しいながらも、子供とともに読書の時間をもつよに努力している姿がうかがわれて、この活動が着実に行われていることを示している。さらに親といっしょに読んだことがあると答えた七十九名について調べて見ると、3図のように、互いに交替で読んだり、役割を決めて読み合ったと答えたものが五十八パーセントで、親子読書本来の目的にそって実行している家庭がふえてきているのは心強い。読書の時間は各家庭の事情で一定していないがこれもある程度習慣づけたいと学校側は今後の指導課題としている。

 

〈2図〉

〈3図〉 (該当者79名)

 

〈3図〉 (該当者79名)

〈親たちの声…アンケート調査から〉

 

〈親たちの声…アンケート調査から〉

(1) 読書の楽しさ

○親と子が一冊の本をもとにいろいろな話ができ、子供の今までみられなかった発達ぶりがわかり楽しい。

○TVにみられない想像力がつく。

(2) 読めない理由

家事労働等で親がおちつくのは、子供が寝る時刻になったり、夕食後はTVに夢中になり読書にとりかかるのが遅くなることをあげている。

(3) その他の感想、意見

○親といっしょに読めるということは子供も読むことにハリがあるようで、これからは感想なども、さらに話し合いたい。

○初め「いやだなあー」と思っていたが、子供と話し合いの場ができて良いことだと思うようになった。

○TVを見る時間が少なくなり、読むことによって物事に集中するようになったことを喜んでいる。

〈今後の課題〉

この報告から見られることは、忙しい学校のカリキュラムの中で、非常に努力されて、私どもが思った以上によく運営されていることは心強い。三年間ということでなしに、もっと長く続けてほしいという声が親たちからあがっていることで、これらについては、図書館と地元の教育委員会がじゅうぶんに話し合って、本の確保につとめ、この運動の輪を拡げていきたいものである。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。