教育福島0047号(1979年(S54)12月)-048page
福島の文化財
所在地 会津若松市一箕町字村後
所有者 横山敏彦
重要文化財 旧滝沢本陣横山家住宅
この住宅は会津若松市郊外の旧滝沢村にあり、白河街道に面している。横山家は古くから近郷十一か村の郷頭を勤めていたが、寛文以降、会津藩主が休息するための本陣となったと伝えている。主屋の建築年代は詳らかでないが、福島県下の民家としては構造手法が古く、十七世紀末ころまでさかのぼるらしい。
建物は桁行十二間、梁間四間、(復元)街道よりやや後退し、南面して建つ。内部は改造がすすみ旧規は明らかでないが、当初の間取りは三間取広間型系統で土間は今よりも広く、全体の約半分くらいあったとみられる。構造は上屋下屋からなり、上屋は梁間三間、梁行は前後対称に柱を配している。梁組は比較的単純で上屋柱の省略は少なく古式である。
座敷は主屋の東南に接して建ち十九世紀以降らしい。横山家住宅は会津地方における上層民家の古い例として、また数少ない本陣形式の民家として、価値が認められる。
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