教育福島0048号(1980年(S55)01月)-011page
特選 実践記録
国語科において
文章表現力を伸ばすための指導をどうしたか
郡山市立大島小学校教諭 星 栄子
一、研究の趣旨
新学習指導要領をみると、これからの国語教育では文章表現力の向上を重視していることがわかる。そこで、文章による表現力を伸ばすことに視点をあて、実践研究をすすめた。
国語科における作文教育とは、国民して必要とされる基礎的・基本的能力としての文章表現力の育成をはかることといえよう。読み手に正しく理解されるように、文章叙述が的確で表現がくふうされている文章が書ける能力を伸ばすようにしたいと考えた。
二、研究の概要
(一) 児童の実態……(調査資料略)
1) 作文を好まない。
〈主な理由〉
○書くことがない。
○どう書けばいいのか書き方がわからない。
○作文が下手だ。自信がない。
○書くのがめんどうくさい。
○長い文章が書けない。
2) 中心のはっきりした文章が書けない。内容が乏しく、羅列的。
3) 文脈の乱れ、表記の誤りがみられ正確な文章が書けない。
(二) 原因
1) 児童が作文することを負担に感じるような作文指導をしてきたのではないか。
2) 作文に必要な基礎的な技能や表現技術が計画的に指導されず、個々の児童の身についていない。
3) 何のためにこの作文学習をしているのか、児童自身がその目的・必要感をつかんでいなかった。
(三) 対策
読みの学習の中に学習作文(書く活動)を積極的に取り入れたり作文単元と結びつけて計画的にスキル学習を取り入れて作文指導を行うことにより文章表現力は伸びるであろう。
※学習作文
学習したことを書く作文。自分の考えを相手にわかるように表現して書く。
※スキル学習
作文力を伸ばすことを目標とし、作文に必要とする基礎的技能や基本的能力を学習することを主眼として展開される作文活動である。
〈具体的手だて〉
1) 計画的に指導するために「書くことの指導事項」をおさえた年間指導計画を作成する。
2) 読みの学習の中に書く活動を取り入れるために
○ 各単元の指導計画を立案するとき、何をどう書かせるか書く活動を位置づける。
○ 書く方法や形式を明確にして作業させる。
3) スキル学習を取り入れた作文指導を行うために
○ 作文の基礎的・基本的な事項をおさえる。
○ 作文単元や児童の実態を考え、スキル学習の内容をおさえ指導計画の中に位置づけ指導する。
○ ねらいをはっきりさせ、必要感を持たせてスキル学習に取り組ませる。
(四) 実践の内容
1) 「書くことに関する指導事項」をおさえた年間指導計画の作成何をどこでどう指導するか年間を見通し、計画的に指導を積み重ねる
資料1 年間指導計画