教育福島0048号(1980年(S55)01月)-012page
ために、書くことに関する指導事項をおさえた年間指導計画を作成した。
2) 単元の指導計画へ書く活動一学習作文を位置づける。
教材内容を読み書きの関連においてとらえ、読みの過程にあらわれる書く活動を具体的にとり出し、単元の指導計画に位置づけた。
資料2 指導計画と書くことの関連
〈具体例〉 単元名 読んで感想を深めよう(石うすの歌)の場合
3) 読みの学習における学習作文の指導
読みの過程における作文活動は、書くことの機能を通し読みを深めると同時に、作文力そのものの高まりもねらうので関連指導のあり方については、次のことに留意した。
ア、読みに対する目標を明確にすること。
目標が明確になってはじめて読み方の方法や作文活動の組み入れがくふうされ、効果的になるため。
イ、有機的な関連を考える。
読むこと書くことの指導が一つの目標をもった単元の中に位置づけられ、それぞれの働きをじゅうぶんに発揮し、関係づけながら単元の目標を達成するようにする。右のことに留意し、読みのねらいや対象となる文章に応じて書く方法や形式をくふうし、実践した。
ア、そのまま書く。……視写・聴写
イ、煮つめて書く。
読みの指導過程で原文からある部分をぬき書きしたり、要点を書き出したり、要約したり、あらましやあら筋を書く活動一実践例略)
ウ、ふくらまして書く。
読みの過程において情景を想像し、作品のこころを思い、読み手の経験と結びつけて詳述や補い書きをする活動。(実践例略)
エ、触発された考えを書く。
読みの学習過程において、感想や意見を書く活動。(実践例略)
オ、発展させて書く。
教材文で学習したこと(文章構成や表現のくふうなど)を生かして書く作文活動。(実践例略)
4) スキル学習をとり入れた作文指導
◇ 必要感を持たせる。
何のために、どんなねらいで学習するのか児童自身がしっかりわかっていることが、学習意欲や学習効果を高めるためには必要である。スキル学習においても、ただ技能的なことを練習したり短作文を綴るだけでは、学習も無味乾燥となり、実際に作文する時に生きて働く力とはなりにくい。今、自分たちにとってどんな点が劣っているのか、作文する時困ることは何かということから、学習の必要性をわからせて学習に取り組ませるようにした。
◇ スキル学習の内容は、次の観点で決めた。
ア、作文単元と関連づける。
作文単元や教材と結びつけ、その単元や教材でねらっていることやそれと関連した作文の諸技能の中で、児童に指導する必要のあるものを取り出す。
イ、読みの学習と結びつける。
読みの学習で習得した内容のうち作文指導をすすめる上で児童の身につけたい技能をとり出して、読みの活動から離れて指導する。
ウ、児童の実態から
児童の実態から指導を必要とする技能をとりあげる。取材指導、中心のはっきりした文章、推敲などがある。
〈指導事例〉……次は、「表現をくふうして書こう」の作文単元と結びつけて行ったスキル学習の例の一部である。
資料3
1.題材名 書き出しのくふう
2.設定の理由 略
3.指導事項
○ 書き出しは、文章展開に大きな役割を果たしていること。
○ 書き出しにはいろいろな書き方があること。
○ 内容に合った書き出しをくふうして書くこと。
4.本時の目標
書き出しは作文を書くのに大きな役割を果たしている事実に気づき、書き出しをくふうして書くことができる。
5.指導過程(下表のとおり)
6.授業の記録の反省 (略)
児童の書いた書き出しの分類