教育福島0048号(1980年(S55)01月)-013page

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三、結果と考察

(一) 作文に対する興味の変化

四月と一月の作文に対する意識調査の結果を比較すると下表の通りである。作文に対する興味や意欲を高めるという点からみれば成果が上がったといえよう。

好きになった理由の主なものは、

○ 自分の気持ちや考えを相手にわかるように文章に書く力がついた。

○ 長文が書けるようになった。

○ 詩・創作を書くのが楽しい。などで、書く力が伸び文章が楽に書けるようになったことが児童の作文に対する興味を高めたと思われる。

(二) 作文に対する自己評価の変容

(二) 作文に対する自己評価の変容

四月のころと比べて自分の作文がどう変わったかという質問に対する児童の反応の主なものは次のとおりである。

○ 自分の考えや気持ちを入れて書けるようになった。

○ 中心のはっきりした文章や内容のまとまった文章が書けるようになつた。

○ 内容に合った表現のくふうをするようになった。

○ 順序をくふうして書くようになった。

○ 具体例を入れて書くようになった。

〈考察〉

1) 全員がプラスの方向で自分の作文の変容をとらえ、表現技術面での作文力の伸びを認めている。

2) スキル学習で練習したことについての反応が多い。児童が作文活動をする場合、そこで培われた知識や技能が生きて働いたと考えられる。

3) 取材や構想についての反応が少なかった。

(三) 表現力の伸びはどうか

上・中・下位児三名を抽出し、その変容をとらえた。(資料 略)

〈考察〉

1) 考えを深めたりまとめたりして

書く意見文、論説文のようなものは、内容的にも文章構成面においても上位児が優れ、中位児・下位児とかなりの差がみられる。

2) 想像したことを書くような作文では、量的にも質的にも、上・中下位児に大差がみられない。作文意欲や興味が下位児の活動を促し作品にもよい影響を与えている。

3) スキル学習では、技能の習得など、学年当初は、上・中・下位児にかなりの差がみられたのに、その差が少なくなった。短作文に関しては下位児も力がついたことがわかる。しかし、まとまった作品となると、考えの深まり、文章構成力など総合的な面では、上・中位児との差がかなりみられる。

(四) 学習作文の効果……(資料略)

○ 文字を書いたり、作文することがおっくうでなくなった。(下位児)

○ 作文の基礎づくりに役立った。スキル学習で学んだことは、すぐ学習作文に生かすことができた。

○ 実生活に必要な要点や要旨をまとめたり、箇条書きに整理して書くというような技能が伸びた。

○ 教材文の表現の仕方や文章構成に目をむけ、それをまねて作文させる方法は、児童にとって抵抗が少なく、書き方をわからせるよい方法であった。

四、まとめと反省

○ 作文指導の時間だけでなく読みの過程においても書く活動を重視し、文章表現力を高めるようにしたことは、新指導要領の精神から考え正しい方向であったと思う。

○ 日々の授業で実践的に研究を進めてきたが、今後は研究領域を焦点化し、研究方法や記録のまとめ方など研究の手法にのっとり、さらに改善し研究を深めたい。

 

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●講評

 

日常の学習において実際に書く機会を多く設け、必要に応じてスキル学習をとりいれ、作文の基礎技能の定着を図り、作文力の向上をねらって長期にわたって実践した記録である。

 

ただいま文章の比較検討中

ただいま文章の比較検討中

 

順序はこれでいいのかなあ

順序はこれでいいのかなあ

 

 

 


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