教育福島0048号(1980年(S55)01月)-014page
特選 実践記録
直接経験をたいせつにする理科指導
郡山市立大成小学校教諭 松崎 和子
−−一人一人が課題を持ち、主体的に自然にはたらきかけていく児童の育成をめざして−−
この研究は、直接経験を重視した理科教育二年間(昭和五十二・五十三年度)の継続実践記録である。
一、主題設定の理由
低学年の児童は、活動、特に遊びを好み、対象と一体となり目を輝かし夢中になって活動をするが、むずかしい考えごとは好まない。
しかし、今までの理科指導をふり返ってみると、高学年の土台づくり的傾向の理屈っぽい授業を展開することが多かった。そのため、「理科はめんどうだから嫌い」という児童がふえ、理科ばなれ現象がみられるようになった。
教育課程審議会では、この点に着目し、「具体的な事物・現象についての直接的な経験を深め……」と直接経験の重視をうたっている。
児童は、自然に接触する機会を多くとることにより、自然の事物・現象に興味をもち、主体的に自然を調べるようになる。自然の規則性を発見したり、自然の不思議さに驚いたりするなかでさらに学習意欲が深まり、児童にとって楽しく、充実した理科学習となる。
学習の中に児童本来の行動力を生かして自由に伸び伸びと学習させ、自然の認識を深めていく。同時に、一人一人が課題を持ち主体的に学習する児童の育成と、自然を愛する人間の育成をめざして主題を設定した。
二、直接経験について
三、研究仮説
児童の驚きや感動・先行経験を核に学習を構成し、学習の中に自然との直接経験の場を多くとり入れれば、一人一人がしっかりと課題をは握し、自然にむかって主体的にはたらきかけ、自然の中から摂理をつかみとる能力・態度が育成されるとともに、自然を愛する豊かな心情を育てることができる。
四、検証方法
(一) カリキュラムを見なおし、直接経験の場を設定する。
(二) 直接経験を重視し、児童が主体的にとり組む理科学習をめざしての授業研究をする。
(三) 自然を愛する心情を育てる飼育栽培活動を年間を通して行う。
五、実践の概要
(一) 第一年次の研究概要(二学年)
1) 児童の実態
○ 知能偏差値 四十九・五
〇 理科学力偏差値 四十九・一右の段階の者が多く、生物の飼
わかったひとは………