教育福島0048号(1980年(S55)01月)-015page
育栽培にかかわる力が劣る。
○ 理科をあまり好まないで、思考をともなう学習をいやがる。
以上のような実態の児童に対して、次のような方針をたて研究を進めた。
○めんどうくさい理科にしない。
○学業不振児のための手だてとして具体的なめあてをもたせる。
○活動を主とする学習にする。
2) カリキュラムの見なおし
○ 理科単元配当表の見なおし
カリキュラムの自校化に当たっては、直接経験させやすい時期をえらんで単元を配当しなおした。
例えば、「空気しらべ」は、十一月に予定されていたが、プールの中で自由に伸び伸びと実験させるため、八月にもってきた。
○ 単元の指導内容の見なおし(表1)
全単元の指導内容を検討し、直接経験の場を明確にし指導に当たった。
○ 教育課程全般にわたる見なおし理科だけでなく、三領域の中で直接経験の場を設定し、自然を愛する豊かな人間の育成をめざした。(表2)
以上のようにカリキュラムの見なおしをし、機会あるごとに自然に直接ふれさせるよう努力してきたため、自然に関心を持ち、自然に親しむようになってきた。
3) 授業の実践
○ 草花のそだち(ひまわり)
この単元では、長期にわたる直接経験のさせ方に視点をあて研究した。
まず、ひまわりに愛情を持たせるために、全員汗びっしょりになって畑づくりをして、種をまいた。「わたしたちの」という所有意識ができ、ひまわりに主体的にはたらきかけるようになった。
指導細案に「直接経験のさせ方」という項目をつくり指導に当たったため落ちなく指導することができた。
観察のさせ方では、常に自分の体をものさしにして調べさせた。そのため自分の体より大きくなったひまわりの生長過程が確実にとらえることができた。記録用紙にもくふうをはらったため、児童はよろこんで記録することができた。
○ まめでんきゅう
ここでは、児童が主体的にみずから学びとるための手だてとして、単元全体を「豆電球を使ったおもちゃを作る」という製作活動として展開した。
おもちゃを作るという課題があったため、それにむかって生き生きと楽しく学習をすることができ、また学習する必要感にせまられているため、主体的に学習にとりくむことができた。
○ せっけん水
この単元では、教材の再構成に重点をおいて直接経験のさせ方を考えてみた。
この単元で児童の一番やりたいことは、せっけんのとけ方でなく、しゃぼん玉遊びである。そのため、一番やりたいしゃぼん玉遊びを単元の導入に持ってきて、そこから物のとけ方について疑問をみつけ出すように教材の再構成を図った。
4) 飼育・栽培活動と自然散歩
自然に接することの日常化・生活化をめざして活動した。
飼育・栽培活動では、年間を通して一人一鉢栽培をし、金魚・じゅうしまつの飼育をしてきた。
また、機会あるごとに学校のまわりの「自然散歩」をおこない、四季の移り変わりに気づくことのできる児童の育成を図った。
5) 一年次の反省と残された問題
○ 理科嫌いがなくなり、楽しく理
表1 〈例〉ひまわりのたねまき1)
表2
さあ風車をまわそう(校長先生といっしょ)