教育福島0048号(1980年(S55)01月)-018page

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○ グループ学習(流動的グループ)

〇 障害走学習カード

○ 指導法のくふう(タイム差学習など)

○ ストップウオッチなどの活用

 

児童が自分に合ったハードル間の距離を選択し、グループを編成し、五十メートル走の記録との差を一・二秒以内にすることをめあてにグループ内でくふうしながら学習できるようにした。

展開案は、走能力の劣る児童にもグループ学習の楽しさや記録向上の喜びが味わえるように留意して作成した。

(三) 指導の結果(資料2・3・4を参照)

(四) 考察

(1) 「水泳の進級カード」や「障害走学習カード」を活用しながら、一時間ごとのめあてを個々人にはっきり持たせ、能力別による小集団学習やタイム差学習というような学習方法や形態のくふうをとり入れて指導したため、能力の劣る児童もあまり劣等感を持たずに学習できたと思われる。

(2) 技能の確かさに問題は残ったように思われるが、泳力の向上や記録の更新の喜びを味わった児童が多かった。

(3) 授業を通し、自分なりに自分に合っためあてを持ち、苦しくともめあてにむかって努力できた満足感を味わった児童がふえてきた。(児童の作文、意識調査)

(4) 協力しあえる場の設定をしたつもりであったが、より具体生に欠け、グループ学習の良さを生かしきれなかった。そのため、全体の三分の一ほどの児童は、友達どうし協力したり、くふうしたりして学習することの楽しさや喜びを体得できなかったのではないかと思われる。

(五) 協力教授による指導(昭和五十四年度)

◇ 楽しさの手だて

 

○ 変化に富んだ興味・関心のある学習内容

○ 他学級の児童とのふれあい

 

児童の体力や施設、用具などの実態をふまえ、年間、領域別、月別指導時数および題材構成表の作成をした。それを基本に、楽しさの手だてを組み入れた単位時間別の展開案を作成し実践した。(資料5)

(1) 水泳指導の実践例

水泳指導期間中の体育の固定時間表を学年内で二〜四学級での合同体育に、また、週三回の授業を通して全学級児童がお互いにふれ合うことができるように再編成し、指導した。その結果、資料6のような技能の定着を得ることができた。

(2) 授業実践からとらえた成果と問題点。

◇ 成果

○ わが学級児童ばかりでなく、他学級児童も運動のやり方をよくとらえ、よろこんで体育学習に参加していた。

○ 特に「汽車ごっこ」では、いろいろな乗物や動物に発展したり、友達と仲よく運動している姿がみられた。

○ 勇気を出してやれた喜び、友達への感謝の気持ちがみられた。手具を使った運動では、友達にぶっからないように気をつけてやったことなど安全面でも意識していることがとらえられた。

(以上、児童の作文から)

〇 一単位時間ごとの内容・方法・指導のポイントなどが細かいステップでわかりやすく示されていたので、無理なく指導できた。

○ 児童の興味や意欲を盛り上げる内容や指導法のくふうがみられた。

○ 役割分担をして指導できたため、時間的ロスが少なかった。

○ 技能の定着において、学級差があまり生じなかった。

○ 自主的に運動用具の準備を手伝ったり、整列をはやくする児童が多くみられた。

(以上、各学級担任の意見から)

 

資料1 指導過程の基本型

資料2 泳力の変容(□指導前易指導後)

 

資料2 泳力の変容(□指導前易指導後)

資料3 50m走と障害走の記録差

 

資料3 50m走と障害走の記録差

資料4 児童の体育学習に関する意識調査一昭和五十四年一月実施一

 

資料4 児童の体育学習に関する意識調査一昭和五十四年一月実施一

 

 

 

 

 


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