教育福島0048号(1980年(S55)01月)-020page

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特集 養護教育の交流推進

交流教育の実践

 

交流教育の実践

 

今回告示された盲学校、聾学校及び養護学校学習指導要領の改訂の基本方針の中で、心身障害児が「小学校、中学校の児童・生徒等と活動を共にする機会を積極的に設ける」ことが強調された。この基本方針に沿って学習指導要領総則編に「児童又は生徒の経験を広め、社会性を養い、好ましい人間関係を育てるため、学校の教育活動全体を通じて、小学校の児童又は中学校の生徒及び地域社会の人々と活動を共にする機会を積極的に設けるようにすること。」と明記された。文部省においては、この告示に当たって昭和五十四年七月六日付文部事務次官通達によって「小学校、中学校及び高等学校においてもこの趣旨を十分理解し、適切な教育活動が展開されるよう配慮されたい」旨を要請している。

 

交流教育のねらい

 

児童生徒の向上への意欲をうながす。

これまでにない、広い新たな視野から現在の自分の生活を見直し、反省的に生活するきっかけとする。

 

健全な人生観の形成をうながす。

この社会には、いろいろな人たちがはげましあい、助けあいながら、人間らしく生きようとしていることを知る良い機会とする。

 

福祉の心の育成をうながす。

交流の体験により連帯感をはぐくみ、この社会を自分たち共同のものとしてたいせつにする心を養うきっかけとする。

このように、適切な交流の機会を設定することは、豊かな人間性の育成にとっても意義深いものとなろう。

 

交流教育推進上の留意点

 

ア、交流教育の意義や児童生徒の指導について共通理解を深め一貫した指導をすすめるとともに、互いに交流してよかったといわれるような交流を実践すること。

イ、障害の状態、程度、能力など心身の障害の状態に応じて弾力的に計画すること。

ウ、交流の機会が児童生徒にとって充実したものとなるよう効果的な交流の場、交流の方法や形態のくふう、指導体制の改善等、これまでの実践の成果をふまえ計画すること。

工、永続性のある実践のあり方についてじゅうぶん検討し、無理のない自然な姿で交流できるように計画すること。

オ、個人差のはなはだしい障害児一人一人の性格特性、集団適応能力などについて適切に配慮してすすめること。

以上のべた点について、児童生徒や学校の実態を考慮し具体的に検討をかさねて実施すべきであろう。功を急ぐことなく周到な事前準備をなし、継続的に実践をすすめたい。

 

 

 


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