教育福島0048号(1980年(S55)01月)-021page

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交流の実際1)

 

福島県立盲、聾学校

福島分校との交流

 

福島市立福島第四小学校

 

一、交流の意義とねらい

本年度から、文部省の心身障害児理解推進校の指定を受け、福島県立盲学校、福島県立聾学校福島分校と教育の場で交流を図ることになった。

これは、盲学校や聾学校と福島第四小学校の児童が、特別活動や、学校行事を共にすることによって、自校だけでは得られない相乗効果を意図した教育活動と考えられる。

これらの活動によって、障害児及び障害者に対する援助の仕方や接し方が身につくであろうし、障害児及び障害者を正しく理解させるのに絶好の機会と考えられる。

今後、交流を進める上で障害児との交流の仕方を、学校行事や、特別活動を通し、また交流をとりまく環境の改善を図りながら実践し、取り組んでいく上で望ましい人間性、社会性が育つと考えられる。

 

二、交流計画

(一) 実施内容と交流の形態(下表)

交流実施内容交流月日交流場所交流対象学年
運動会事前交流五月十日盲・聾学校三年四組児童
運動会五月十三日第四小学校全校児童(三年四組は同種目実施)
プール開き六月一日第四小学校下学年児童
水泳教室六月〜八月第四小学校一学年〜四学年児童
水泳記録会八月三十日第四小学校一学年〜四学年児童
霊山子どもの村交歓会事前指導九月十九日第四小学校三学年児童
霊山子どもの村交歓会九月二十日霊山子どもの村三学年児童
校内学芸会十月二十六日第四小学校全校児童
学芸会十月二十八日第四小学校盲・聾学校
クリスマス会十二月二十一日第四小学校三学年児童

(二) 交流と教育計画

1) 相手校の教育課程や教育体制等に、基本的な支障を及ぼすことのないように配慮しながら実施している。

2) 場の交流はもとより、精神面の交流を重視し、学校生活全体を通じ精神面の交流ができる場をみつけだすようにする。

3) 教科学習への参加よりも、遊びとか、学校行事、特別活動の中でのかかわりあいを広げ、社会性の発達面への刺激を考えるようにする。

(三) 校内の共通理解と事前指導

全職員が一堂に集まり、数度にわたって全体研修をもち、次の研究の方向を確認した。

1) 交流教育の研究と校内研究の一体化を図る。

2) 児童の意識調査、父母の意識調査による実態は握をする。

3) 交流対象児の実態からみて必要な教育の中身を提起する。

4) 交流の事前事後の指導として、学級指導の研究を行う。

(四) 事前打合せと教師間の交流

交流教育は両校の児童を対象として行われるが、これを計画実施するものは教師である。したがって、交流教育を推進するためには、三校の教師の相互理解と協力が不可欠である。

それには、お互いの授業を参観し合ったり、いっしょに研究会や会食をし合同研修会をもって交流教育について話し合う必要がある。

また、職員運動日をきめ、スポーツを通しての親善をはかる。

(五) 地域、PTAの理解を求めて

父母の意識が児童の心情に与える影響は大きいので、交流に対して父母の理解を深める努力が必要である。父母の理解と協力は、児童に対する交流教育という具体的活動を通して深まると思われるが、その啓蒙の方法としてはPTA総会や授業参観で交流教育についての理解と協力をもとめている。また、PTAの広報誌によって、交流活動状況を知らせ、協力を得るようすすめている。

地域には、計画された合同行事をとおして、さらに、マスコミの協力を得て地域社会への啓蒙を図っている。(六) 交流の機会の設定

1) 学校行事による交流

運動会、プール開き、水泳教室、水泳記録会、霊山子どもの村交歓会、校内学芸会、父兄対象学芸会、昼食会、なわとび大会等

2) 特別活動による交流

福島第四小学校クラブ発表会への交流参加

特別活動(学級会、学級指導、児童会)は活動状況の訪問学習

3) 会食をとおしての交流

4) 教科学習の交流

教科学習場面での交流は、知的能力が要求されるので、どの教科にどのように出していくかは障害児の特性により画一的にはできないので、交流学年、教科内容をどうするかなど、今後の課題である。

三、交流の実施と反省

(一) 交流に際しての配慮事項

1) 行事交流に際しては、事前打ち合わせをじゅうぶんに行い、指導体制、緊急時の対応措置について確認しさらに施設、設備の点検を行い万全を期すよう努力している。

2) 学級の児童に対象児に対する事前指導をとおして、交流への構え

 

 

 


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