教育福島0048号(1980年(S55)01月)-023page
力が必然的に発生するようにくふうした。
実践に当たっては行事計画と統合学習を中核とし、地域や社会人との交流もたいせつにし人間形成と社会適応に配慮した。
三、校内の共通理解のための事前学習
(1) 交流教育のねらいを確認し、組織をとおして教師集団相互の研修を実施する。
(2) 実施計画案の審議と指導内容の検討を行い、全職員の共通理解に努める。
(3) 職務分担と相互の協力体制を固め、任務を遂行することを確認する。
(4) 交流校の実態を知り、それに応じた対応のし方を探求する。
四、事前打ち合わせと教師の交流
(1) 実施計画案の再検討をして問題点や追加事項について協議をする。
(2) 指導体制や応急措置をち密に検討する。
(3) 施設設備の点検と必要資料、準備物の確認をする。
(4) 事前打ち合わせで交流の心構えを徹底する。
(5) 悪天候の場合の対応案を審議する。
(6) 健康管理と家庭との連絡調整を図る。
これらのことについて協議、再確認し合い、教師間の意識の統一を図る必要がある。
五、地域、PTAの理解を求めて
両校において、PTA総会、授業参観、保護者会、各種集会等で交流教育の重要性について述べ協力と理解を求める。また対外的には、民生委員の勉強会、公民館のボランティア教室、青年会、民謡同好会、老人クラブ等の奉仕活動をとおし理解を図るとともに社会の諸団体への啓発を依頼する。
六、交流の機会の設定
日常、生徒たちを観察すると、行動範囲がせまく、決ったわくの中での行動であり、他校生との交わりはほとんど見られない現状であった。
したがって子供たちとの接触の場を、より多く計画し学校行事や特別活動等をとおして交流させ、その機会をつくってやる必要を感じていた。今回行った交流では、とにかく生徒たちそれぞれが意欲的、主体的に取り組んでお互いにかかわり合える炊さん活動やキャンプファイヤー、歌や踊り、レクリェーション等に焦点をあて喜んで参加できるものにした。
七、交流の実態と反省
(一) 実施内容と交流の形態(次表)
(二) 生徒の反響(Y子・中学部三年の作文から)
磯部中学校一年生と青年の家でキャンプをしました。私は十班の人といっしょです。
テントはりをマナエちゃんにならってピンをうちました。盆踊りと二遍返しは、わたしの方がじょうずだったので、みんなにほめてもらいました。
はんごうすいさんで、ねぎといもを洗った。とんじるがうんとおいしくておかわりをしたら、みんなにわらわれました。みんなうんとしんせつで、わたしはあんしんしました。
夜はキャンプファイヤー、歌とおどりをしました。みんなうんとさわいでおもしろかった。わたしは、つかれてぐっすりねました。
かえりに、えみちゃんという人から、くしをもらい、マナエちゃんにはサインをしてあげました。とってもやさしくてうれしかった。またあってあそびたいです。
(三) 教師の感想
(1) 事前交流をたいせつにしたためか、テント生活も不自然な感じがなかった。
(2) 障害児が交流の喜びを味わえる、土壌づくりができたことは収穫だ。
(3) 職員の事前の打ち合わせがよく行われ、共通理解にたって指導されて夜尿等心配された事故もなかった。
(四) 家庭の感想
(1) 子供たちの考え方や態度が変わってきた。
(2) 交流の時の楽しい話を聞かされた。
(3) また交流がないかと楽しんでいる。
(五) 今後の課題
日常の教育実践なしで与えられた機会だけに、健常児といっしょにしただけでは効果が期待できない。
教育課程の中に適切に位置づける必要がある。