教育福島0048号(1980年(S55)01月)-031page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

成人の日におくる一冊の本

●図書館コーナー●

 

激動する現代社会の中で八十年代を迎え、将来の日本を築きあげる若人の皆さんにぜひ、読んでいただきたい本を全国の読書施設関係者がリストアップしたものをここに紹介し、成人の日を祝します。

 

アメリカ南部の旅 〈猿谷 要 岩波書店 三二〇円〉

著しい経済興隆とともに急速に変貌しつつあるアメリカ南部“ニュー・サウス”の底流を、現地の人びとと語りながら、いきいきと伝える。

 

研究レポートのすすめ 〈杉原 四郎他 有斐閣 五三〇円〉

研究レポート作成の基本的ポイントを具体的に、興味深く説く。卒論、ゼミ論はもとより、知的活動の総まとめに役立つガイドブック。

 

対島まで 〈金 達寿 河出書房新社 一二〇〇円〉

帰国を許されていない私たちは、海峡をはさんでしか故国朝鮮を見ることができない。“対島まで”しか行けない。なぜなのだ!

 

冬の明り 〈高井 有一 集英社 八八〇円〉

戦後に思春期を迎えた少年たちの硬く脆く張りつめた息づかいを、みずみずしいタッチで描きあげた傑作短編集。

 

遠き落日 上・下 〈渡辺 淳一角川書店 各九四〇円〉

偉大なる孤独の人、野口英世は、虚飾の偶像か? 人間・野口英世の、赤裸々な青春と、栄光と失意に彩られた、あまりにも劇的な生涯。

 

考えることについて 〈串田 孫一旺文社 三二〇円〉

寛容と心のゆとりについてふれたり、人間の可能性と生きる知恵について語る著者の筆致には、人間への暖かい愛が、一貫して脈打っている。

 

むすめの座標 〈草柳 大蔵 光文社 九三〇円〉

あなたは何を信じて生きていますか?。何を基準にして自分の心の位置を決めていますか?。28の座標で、やさしく説く女の生き方。

 

学問のすすめ 〈梅原 猛 佼成出版社 九八〇円〉

独自の古代史観を展開する著者が、今はじめてみずからの学問、人生遍歴を語り、自己の人生、価値観を培う学問とは何かを問う。

 

ジャパンアズナンバーワン 〈エズラ・F・ヴォーゲル TBSブリタニカ 一三〇〇円〉

戦後三十五年…見事に復興を遂げた日本。その驚異的発展の秘密を日本人の集団的・組織的力とダイナミズムに求めた出色の日本論。

 

村の中で村を考える〈堀越 久甫 NHK出版協会 六〇〇円〉

農村評論ひと筋に歩む著者が、郷里長野の農村に帰り住んだ七年間の記録。村の社会と村人の意識の変化をふまえての貴重な提言。

 

峠を歩く 〈伊藤 桂一 日本交通公社 一六〇〇円〉

土地の人にとっても旅人にとっても、峠には人生の折ふしの哀歓を感じさせる何かがある。その風物を求めて十三の峠を歩いた紀行文。

 

ガン回廊の朝 〈柳田 邦男 講談社 一三〇〇円〉

国立ガンセンターを舞台に、あらゆるガンの治療と研究にとりくむ、臨床医や、研究者たちの苦斗を描く感動の書。

 

花と虫の記憶 〈大庭みな子 中央公論社 一一〇〇円〉

ひとは愛によってはじめて「私」を発見する。多様で自由な「愛の関係」のなかに、生命の遠永性を模索することで、新たな文学世界を形成。

 

野の祭 〈三浦 哲郎 毎日新聞社 一二〇〇円〉

北国の、林檎試験場へみずから赴任した青春の、野の匂いにみちた日々、それは新しい愛のはじまりでもあったのか。

 

「私の」のいる文章 〈森本 哲郎ダイヤモンド社 九八〇円〉

自分のものの見方をたいせつにした文章を書くにば、どう発想し、どう取材し、どうまとめたらよいか。著者の体験から詳説。

 

日本語の作法 〈多田道太郎 潮出版社 九八〇円〉

日本人は人前で話すことが苦手な民族。TV、文学、風俗…と多方面から素材を拾い、軽妙なタッチに託して話し言葉の文化を考える。

 

忘れられない本 〈朝日新聞社 九六〇円〉

各界の著名人九十六氏が読書遍歴をふりかえりながら、青春の日々を支えた本、生き方を変えた一冊の本との出会いを語る。滋味深い読書随想。

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。