教育福島0051号(1980年(S55)06月)-019page
い、かれらについての資料を得るとともに、かれらとの親和感を高めるように努力する。また、学校全体としては、実施する調査や検査を各担任が十分理解して、正確に行うために説明会を開いたりするように計画されている。
<各学年の重点と内容>
一学年は、これから始まる中学校生活によりよく適応できるようにすること。問題児を早期に発見して指導することの二つを学年の重点として、知能・学力・性格という内容を取り上げて計画した。
二学年は、中学校生活の充実期であるから、一年の時の学習や行動上の間題をよりよく指導すること。また、身体的・精神的に不安定な状態になりがちであるので、精神的健康の維持増進に努力することの二つを重点にする。
三学年は、進路選択ということを重点にし、その内容として、生徒の能力・適性・性格を取りあげ、それらを適切に把握し、適正な進路の選択ができるように配慮してある。
3 生徒理解の資料収集と活用
(1)生徒理解の資料収集
中学生は、内面的な世界と外面的な世界が分化し、時には対立、離反してくる時期なので、外部に現れた行動だけで判断するのでなく、生徒の内面理解に最大の関心と注意をはらいたいものである。
反社会的な問題にしても、非社会的な問題にしても、それが発生するにはそれなりの理由や過程がある。そこでたえず生徒の状況を配慮して計画的に情報の収集に努めなければならない。
情報は、一般的には、観察法・質問紙法・標準検査法・面接法などがあるが、その主なものをあげてみる。
1)観察による方法
日常生活のありのままの姿をよく観察し、理解していくことこそ、生徒指導の第一の要件である。
ア、叙述的観察法
生徒の行動を、自然のままの姿で観察し、叙述的に記録する方法
イ、組織的観察記録法
・時間見本法
観察の観点を定めて、各個人の行動を三〜五分間ずつ順次観察し、何週間か続けて行う方法
・品等尺度法
あらかじめ五段階等の評価項目を設定しておき、それぞれの行動を該当項目にチェックする記録法
2)面接による方法
面接法は、観察法と異なり、直接的で、より個別指導的であることから、教師の事前の準備や、共感的理解者、相談者としての姿勢が大切である。
ア、調査面接法
あらかじめ質問項目や作業等を準備しておき、これに従って行う方法
イ、相談面接法
ウ、集団面接法
別表 生徒理解計画 (一学年)