教育福島0051号(1980年(S55)06月)-029page

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ユニークな研修活動

--県中教育事務所--

 

教師の研修--それは、日々成長する児童生徒を指導する者にとって、欠かせない重要なことである。

県中教育事務所管内では、年々研修活動が盛んになり、日常の教育活動に密着した研修になってきているが、その中で、ユニークな研修活動を組織的に行っている小野町及び石川町両教育委員会の研修活動を紹介したい。

 

経験三年以下教育研修会

--小野町教育委員会--

 

毎年、新任教員が多く入ってくる小野町では、経験の浅い教員に地城の実情を理解してもらい、地域にねざした教育をしてもらおうというねらいで、町教育委員会が主催し、研修会を毎年実施している。

前年度、この研修会に参加した教職員は二十四名である。研修内容としては、授業研修(OHPの使用法、理科教材、実験器具の扱い方)、教育懇談(教師の楽しさと苦心・期待される教師像をめぐる座談会等)、複式学級の経営研究等を年間五回実施してきた。その中では、特に実技研修、若者同士の話し合いが好評だったとか。

この研修会によって、日々の授業が充実してきて、新任者同士の横のつながりや、若い先生たちの縦のつながりが一段と強まってきている意義は大きい。

今年度は、まだスタートしたばかりであるが、研修会の内容が一層充実され、毎日いきいきとした授業が展開され、張りのある教員生活がおくられるよう大いに期待されている。

 

研修風景(小野町)

 

研修風景(小野町)

 

一週間にわたる「国内研修」

--石川町教育委員会--

 

石川町教育委員会では、他県のすぐれた教育実践を学び、自校の学習指導や学年・学級経営に活かすとともに、教員の視野を広めさせるというねらいのもとに、六年前から町内の中堅教員を他県の先進校に派遣し、一週間にわたる国内研修活動を実施している。

派遣人数は、毎年四、五名で、研修校は主として栃木県、埼玉県等の「特色ある研究学校」の中から、自校の研究テーマとの関連で選定する。

研修校では、教職員と全く同じ勤務をする中で、主として授業参観、授業研究として一、二時間を実施する。

特に授業研究では、実際に指導案を書き授業を行うが、児童生徒の実態把握が十分でなく、とまどうこともあったとのこと、また、夜を徹して、校長先生と教育について話し合ったりした教員もいたとのことである。

帰ってきて研修結果をまとめ、自校を中心に伝達するが、その時の話し合いやプリントによると、他県の異なった風土、教育法、児童生徒観等を直接肌で学びとったことにより、幅広い角度から自校の児童生徒に接することができるようになった等々、所期のねらいを十分達成できたとそれぞれ述べている。

石川町教育委員会では、その成果をふまえ、今年度も四、五名を派遣させるために、今、準備をすすめている。

以上、二つのユニークな研修活動を紹介したが、その他の市町村でも、地域の実情に即した研修活動が盛んに行われている。今後とも、より一層充実した研修になるよう期待したい。

 

 

 


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