教育福島0051号(1980年(S55)06月)-037page

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最近出版の社会教育関係図書

 

県立図書館資料整理係長

竹花孝司

 

図書館コーナー

 

図書館コーナー

 

急速な高齢化社会、週休二日制の普及、そして何よりも今日のように変化のはげしい社会では、人々は一生勉強しなければならない学習社会へと移行しつつある。したがって社会教育への関心は急速に高まってきている。

昨年は「社会教育法」施行三十周年に当たり、これを記念して二つの「社会教育の識庄」が発行されているしまた、昭和五十二年から異色の出版社である亜紀書房から、「講座・現代社会教育」が発行されつつある。

さて、ここでは当館の資料のなかから最近出版された「社会教育関係図書」を紹介する。

 

「社会教育論」<藤原英夫編 ミネルヴァ書房 昭和五十四年刊 一二〇〇円>

TP叢書の一冊。五人による分担筆執。すでに制度化されている教育としての社会教育を確認し、そこで堅固な視座を築くことに重点をおいている。社会教育についていろいろな考え方を述べた本なので、社会教育を学ぶための手ごろな入門書である。

 

「公民館長と社会教育」<菅原誠喜新紀元社 昭和五十四年刊 九五〇円>

現職の公民館長である筆者が社会教脊の理論を学んで、実践の裏付けである理論を試みた書。一通り社会教育のアウトラインに触れている。

 

「社会教育の歴史と課題」<藤田秀雄 学苑社 昭和五十四年刊 二八〇〇円>

自由民権運動期から戦後の高度経済成長政策期まで、問題史的に社会教育の歩みをたどり、問題を提起している。

 

「社会教育の自由」<島田修一編 学陽重房 昭和五十三年刊 二九〇〇円>

「講座・現代社会教育」の(六)。戦後改革期にもとめられた社会教育への期待や教育の理念を説く論稿のみならず、「権利としての社会教育」を実現させるすじみちをさまざまな角度から探究した論稿を収録している。

 

「講座・現代社会教育」全八巻 <亜紀書房 昭和五十二年刊〜 一五〇〇〜二〇〇〇円>

わが国の社会教育学史上、初の本格的な講座。たんに今日的学問水準を示すばかりでなく、戦前戦後にわたる研究成果の総括的意味をもつものであるといえる。執筆者陣は、名実ともに現代の社会教育にたずさわる第一級の教有学者。構成は、1)現代社会教育の理論 2)日本社会教育発達史 3)欧米社会教育発達史 4)社会教育の法と行政 5)社会教育の学級・講座 6)公民館・図書館・博物館 7)学校外教育 8)国民の自己教育運動 1)・3)・5)・6)・7)巻が既巻。近く2)巻が出版される。

 

「社会教育講座」全五巻 <第一法規昭和五十四年刊 各二五〇〇円>

社会教育法三十周年を迎え、これを契機に、改めて社会教育の理論的体系の確立が求められている。今後の社会教育をリードする理論を提供するために企画された講座。構成は、第一巻 社会教育の理論と歴史 第二巻 社会教育の科学 第三巻 社会教育の経営第四巻 社会教育の施設 第五巻 社会教育の方法。どの巻も、第一線の学者・専門家の研究成果が収められている。全巻が同時に刊行された。

 

「講座 現代社会教育」全七巻 <ぎようせい 昭和五十五年刊 各一六〇〇円>

各地で活躍している社会教育関係者に役だつことを目的とした講座。現代の社会教育がもつ基本的なことがらが取り上げられ、その中でも、特にいま必要とされる具体的な事項を焦点化して、それらの現実的な解決を目指している。

執筆者には、当県教育庁の社会教育主事も加わっている。全体の構成は、第一巻 社会教育の基礎技術 第二巻 社会教育事業 第三巻 学習プログラム 第四巻 青少年の学習 第五巻 成人の学習 第六巻 社会教育ボランティア 第七巻 社会教育職員必携。現在二・三・六巻が刊行されている。

 

 

 


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