教育福島0052号(1980年(S55)07月)-008page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

1 青少年室の新設

市は、機構改革を行い、教育委員会の社会教育課内に、青少年室を設置し、青少年行政にかかわる部局を統合し一本化した。(少年センター、企画課、広報課、生活課、公民館、支所など)

2 郡山市青少年健全育成推進協議会の結成(市推進協と略称)

青少年健全育成にかかわる七十二団体が、 一つの組織にまとまった。(学校関係十四団体、補導関係十団体、青少年団体十一団体、行政関係十一団体、業界関係十九団体、関係団体十団体、他)

市推進協の主な組織機構は次のとおりである。

(1) 専門部会

・育成活動部会

青少年団体活動の援助・奨励、市民に育成活動と協力を呼びかける運動の推進、育成のための方策の検討など。

・環境浄化部会

地域環境の実態調査に基づく地域診断、環境浄化啓発活動など。

・補導部会

校外補導体制の確立、青少年の非行化や事故の防止に関する活動など。

(2) 地区協議会

中学校区を単位に、二十五地区の地区協議会を結成。

・地区役員は、旧市内ではPTA役員、保護委員が多く、新市内では、以上のほか町内会長、区長などの世話役が多い。

・事務局は、十六の公民館九つの小・中学校などに置かれ、それぞれの特色を発揮している。

(三) 実施事業

1 主な行事

(1) 推進大会

育成活動の体験発表、少年の主張、提言、青少年の社会参加成果発表などで、市民の関心を高めるための啓発活動を行った。

(2) 健全育成講演会

稲村博、吉岡たすく、田村健二氏などの講演

(3) 青少年の社会参加活動

青少年の公共心や、社会運帯意識を養うため、駅前、公園など公共施設の清掃奉仕活動、こどもまつり参加など、二千四百名が参加した。

2 行われた事業

(1) 指導者研修会

・健全育成指導者研修会

・青少年育成指導員研修会

・少年団体指導者研修会

・健全育成民間指導者研修会

などに五百名参加。

(2) 補導活動、環境浄化活動

・市推進協のメンバーである少年センター、郡山署、地区協、高校生指協、保護委員会などが連携し、街頭補導、列車補導、交通補導など。

・非行防止ポスターの揚示、チラシの街頭配布、パネル展示、青少年相談など。

・環境調査、自販機、インべーダーゲーム、シンナー販売等についての情報交換及び対策検討。

(3) 小・中・高校の連携

生徒指導連絡協議会と、PTA補導員の連合体である健全育成連絡協議会が結成され、連携のあり方、非行対策などについて研究協議、研修会、補導などの実施。

(4) 地区協議会の活動

指導員研修会、家庭教育研修会、地域実態調査、環境浄化(清掃奉仕、危険個所の点検、有害図書・シンナー販売自粛運動、補導活動など)、野外活動、親と子の話し合い標語募集などの活動(各地区で展開)

(5) 広報活動

チラシ「のびようのばそう青少年」、小冊紙「育てたくましく」、市広報、広報車などを通じて、市民の関心を高める啓蒙活動。

三 成果と今後の課題

(一) 学校、父母、地域団体などの連携が進められ、地域ぐるみの生徒指導組織が一本化し、指導行政の面でも青少年室が新設され、行政の窓口も一本化し、市民総ぐるみの態勢が確立した。

(二) 育成活動の日常的展開を図るため、中学校区単位の地区組織つくりが進められ、地域の連帯感が芽ばえ、市民の関心が高まった。

(三) 小・中・高校間の連携かより緊密化し、生徒指導の充実強化のための体制ができた。

(四) 健全育成活動の実践過程で、育成のための目標がより明確になってきた。

(五) 学校まかせの気風が改善され、家庭・地域の責任についての認識が深まりつつある。

(六) 今後の課題としては

1 市推進協の結成をはじめとして、青少年育成その他の各種事業など、行政主導型で進めざるを得なかった点が考えられる。

したがって、とかく市民の主体的参加意識が少なく、行政依存的傾向が見られるので、今後は地域住民が積極的に参加する運動にまで盛り上がる努力を重ねること。

2 ややもすれば、運動が上滑りになるおそれがある(一部の人

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。