教育福島0052号(1980年(S55)07月)-009page

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々による、行事中心の一時的活動など)ので地域社会に十分浸透する日常活動にまで発展させること。

3、地域の連帯意識の回復、地域文化の継承や創造などのための、青少年の社会参加活動が、まだまだ少ないので、社会参加を積極的に促進し、家族ぐるみの地域活動参加により、地域社会の連帯を深めその発展を促進すること。

4、地区協で、地区の青少年の実態をつかむ地域診断を実施し青少年問題の深層を掘り起し地区の活動課題として取り組む市民運動にまで質的に高めること。

などがあげられるであろう。

県南高等学校保護委員会活動の実際

全国的にも例を見ないユニークな組織としての保護委員会も、県内各ブロックごとに、生徒の非行防止と健全育成を目的として、昭和三十四年発足以来二十年を経過するに至った。

保護委員会のそもそもの出発は、生徒の校外生活の保護指導に当たり、生徒が不時の危険に陥った場合、避難所を提供したり、あるいは、休業中の校外指導に当たるなど、保護者の協力のもとに、生徒の校外生活を明るく健全にするところからであったが、近年、社会環境の大きな変化とともに、消極的に保護活動から、着々組織の拡大を図り、補導、環境浄化、健全育成活動、と時代の進展に即応した性格に移行してきた。

とりわけ、県南高等学校保護委員会は、地域の必要性に応じて、具体的な健全育成活動の実践化へ意欲的に取り組み、実効をあげているので、その活動の実際にふれ、活動を通じて、今後の保護委員会のあり方をふくめ、生徒指導の強化と保護委員会活動のかかわりについて述べてみたい。

一 活動の実際

(一) 組織の確立を図る

1 保護委員会が、とかく熱心な一部の役員によって支えられている傾向にあることから、保護者との連携が十分に図られて、地域に密着した活動を推進できるように組織を細分し、活動単位を小さくした。(郡山支部)

支部→地区(中学校区)→方部(小学校区)→班(部落 字町会など)

2 保護委員会が核となって、田村郡大越町、小野町浮金地区、いわき市小白井地区に、それぞれ「保護者会」を結成し活動を推進している。 (田村支部)

3 須賀川支部、東石支部棚倉地区でも、中学校区又は小学校区単位に方部を組織して、小、中学校からの継続指導に当たる体制づくりがなされた。

(二) 父兄の啓発活動と研修会

1 部落の集会所や、公民館で夜間集会をもち、講演会、映画の上映などによって、生徒の問題行動について実態を認識し、間題の背景を知り、親としてのあり方を考えるうえで実り多い研修会を催した。(郡山支部、東石支部、石川・棚倉地区)

2 地区独自に、チラシ「高校生の健全な生活は保護者の指導の愛情から」を作成して、保護委員が各戸を訪ね配布、保護者との対話を通し、共感的な受容の中で、ともどもに考えていこうとする姿勢で、健全な家庭づくりと、家庭として、地域共同体としての教育機構を高めるための呼びかけを実施した。(白河支部、自坂・泉崎・東北地区、郡山支部、湖南地区)

(三) 補導活動及び環境浄化の推進

1 支部高校生活指導協議会、市少年センター補導員、警察署防犯課などと連携して、街頭、列車、バス補導を適宜すすめた。(郡山、白河、須賀川支部)

2 登下校時に、広報車による自転車通学生徒に対しての交通安全指導を実施した。(郡山支部)

3 とかく生徒の止宿先が、「たまり場」になっての非行ケースがみられることから、止宿先を訪ねての指導を行った。(郡山支部)

4 「道路沿線にお住まいのみなさんへ」と題しての印刷物を作成して、不良図書の自動販売を目的とした業者に、設置場所を提供しないよう協力を呼びかけた。(白河支部、白坂地区)

5 地域の民生委員、PTA役員、各学校長、その他関係者の協力を得て、自動販売機(有害図書)の徹去運動を盛り上げ、場所を提供している商店、販売機の会社に徹去の同意をとりつけた。(白河支部、東地区)

6 高校生をふくむ未成年者の喫煙防止の立看板の設置、ポスター、標語(生徒の応募作品)の掲示、チラシの配布によって住民運動にまで高めた。(東石、白河、郡山支部)

7 「高校生の健全育成関係者懇談会」を開催して、業界代表(酒・たばこ販売、飲食店、喫茶店、理・美容、衣料店、書籍店などの各組合)交通機関、警察署防犯課など一堂に会して、特に各業界の代表者からみた高校生の動態について、意見を聴取、さらに学校としての指導方針を述べて理解を図り、生徒の豊かな情操をかん養するため、不良出版物や広告物、また、自動販売機などの有害環境に対す

 

 

 


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