教育福島0052号(1980年(S55)07月)-028page
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知っておきたい教育法令
分限
一 分限制度
職員は、法律で定める事由による場合でなければ、その意に反して免職されたり、降任されず、また、法律又は条例に定める事由による場合でなければ、その意に反して休職されたり、降給されることがないと定められている。(地方公務員法第二十七条)
公務員は全体の奉仕者として公共の利益のために勤務しなければならない職責を負っている。したがって、職員が一定の事由によってその職責を果たすことができない場合には、任命権者は、公務能率の向上と公務の適正執行のために、一方的に免職とか休職等の身分上の変動を伴う不利益な処分をすることができる。このことは、この制度が、職員は法律又は条例に定められた事由に該当しない場合、右に述べたような不利益な処分を受けないという意味で身分保障の制度であるということができる。
それでは、不利益な処分を受ける事由とはどのような場合か。
二 分限事由
(一) 任命権者は、職員が次の事由に該当する場合には、職員の意に反して、免職(職員としての身分を失わせる処分)又は降任(現に有する職よりも下位のものに任命する)することができる。
1 勤務実績が良くない場合
担当している職務に関する基礎的知識・技能が著しく低く、また、研修意欲もなく仕事に間違いが多い等である。
2 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
この事由に該当するかどうかの判断に際しては、医師二名を指定して、あらかじめ診断を行わせなければならない。事例としては、脳盗血で倒れ下半身不随となり、教員としての職務が遂行できない等の場合である。
また、心身の故障が公務遂行に起因する場合には、公務災害補償との関係もある。
3 職員の職に必要な適格性を欠く場合
どのような事実がある場合に適格性を欠くものと判断されるにかついて、これまでの判決例等は次のとおりである。
(1) 遅刻、離席、早退が多いとか、異性関係がだらしないなど、職場規律や公務員秩序の上で問題がある場合。
(2) 上司や同僚をひぼうあるいは罵倒するなど協調性を欠く場合。
(3) 帰省したまま長期間無断で欠勤するなど勤務に対する熱意又は態度に問題がある場合。
そして、これらの行為が、簡単に矯正できない持続性をもった素質・能力性格等に基因して、その職務の円滑な遂行に支障があり、又は支障を生ずる高度の蓋然性が認められる場合に適格性なしと判断されている。(最判昭48・9・14)
4 職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合
(二) 公務員は、次の一つに該当する場合は、その意に反し休職(身分を有するが職に従事しない)されることがある。
1 心身の故障のため、長期の休養を要する場合
心身の故障のため長期にわたって療養を要する場合には、公務遂行に支障を来たすので、休職処分とするのである。
この休職は、心身の故障が私傷病か公務遂行に起因するかは問わない。休職の期間は三年とされており、その手続、給与等は県条例に規定されている。(結核性疾患の場合は、教育公務員特例法第十四条)
2 刑事事件に関し起訴された場合
この場合は、公務員として特に教員として児童・生徒との信頼関係は維持できないことから休職とし、事件が終結するまで職務遂行から排除する必要があるという趣旨である。
3 条例で定められている場合
外国の政府の招きにより職務に関連する業務に従事する場合等である。(職員の分限に関する条例第二条参照。)
三、失職
地方公務員法第十六条には公務員としての欠格条項が定められ、これに該当する場合は、当然に失職する。
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